お引越し

生まれて初めて実家を離れることとなり、引っ越しから今日で10日が経った。ついでに仕事を辞めた。

無職で初めての引っ越しなんて無謀なことを決めた時は不安でどうにかなりそうだったけれど、いざ始めてみたら、毎日がアホみたいに楽しい。自分のペースで新しいことが進められるのが心地いい。やることが毎日山盛りある。なんと新居はNetflixも観れるしPS4もSwitchもあるという、無職が暮らすには完璧すぎる住環境なんだけど、ほとんどする時間がないのが不思議だ。キングダムハーツ3を進めて、Netflixストレンジャーシングスを観たいんだけど、頭の中はインテリアや収納のことで頭がいっぱいだ。

まあしかし、田舎から都会に出て来てカルチャーショックの日々。ていうか、まさか関西の中でもここには絶対住まねーわと思っていた都道府県に住むことになるとは…。

引っ越し後一番驚いたのは、ホームレスがゴミ袋の中からカップラーメンをみつけて汁を飲んでいる姿だった。しかも、悲壮感漂う田舎のホームレスと違って「ラーメンみっけ、ラッキー!」という感じで意気揚々としていて、さらに衝撃だった。家の近くはまあまあ下町で、近所の100均に行くたび、フロア内に永遠と独り言喋ってるおっさんが1人はいる。あとは、やたらとたこ焼き屋お好み焼き屋が多い。新しく買ったチャリンコがパクられないか毎日ヒヤヒヤしている。

新居は、私より年上でまあまあ古いが、その分結構広い。そして、日当たりがとても良くて、冬なのに暖房がいらないくらいあたたかい。リビングに差し込む光がきらきらと明るくて、内覧の時「絶対ここがいい!!」と思った。ここでなら前向きに新生活が始められる気がしたからだ。

と、まあその割に、無職なのに家賃が払えるのか契約日に突然不安になり、相当後ろ向きになったのが私らしいのだけど。

リノベ済みで綺麗な物件だが、何かにつけて相当癖が強い。ガスの業者が「こんなコンロ見たことない」と驚くようなデザインだったり、最早あげればキリがない。引越し初心者すぎて、全部契約してから気がついた。でも住んでみたら、案外全く気にならない。人間の適応力とは恐ろしい。住む前よりも、ずっとずっとこの家が好きだ。癖は強いけど、この家にして良かったなと今は思う。まだソファーも棚もない汚い部屋なのに、ちゃんと「帰って来る場所」として機能していることが、嬉しい。

毎日のスケジュールはというと、同居人と一緒に起きて、味噌汁とコーヒーを温めて、仕事に行くのを見送ってから洗濯物をして、作り置きの食事を作って、掃除して、買い物に行って、就活して…といった感じ。ほぼ完全に主婦の生活だが、就活以外は本当に楽しい。

楽しい理由は大きく2つあって、1つ目は、出来なかったことが出来るようになるのがとっても嬉しいからだ。ずーっと、実家を出たことない&家事下手コンプレックスがあったけど、案外ちゃんとやれているのが嬉しい。実家では部屋が汚くて毎日怒られてたけど、今なら親の言葉の意味がわかる。お母さん、ごめん。申し訳ないんだけど、そういうことを知れるのも、とても楽しい。カビキラーが臭すぎることも、ブルーレット置くだけの機能性も、アラサーにして今更だが、全て感動的だ。

今は晩御飯と収納のことを考えるのが一番楽しくて、週3くらいで100均に通っている。今は到底無理だが、はやく人を呼べる部屋にしたいな。

2つ目は、想像の何倍も、二人暮らしが楽しいこと。大きいテレビを買ったら、テレビ見るのが超楽しくなった。人とテレビ番組見るのってこんなに楽しいんだな。ボーッとコーヒーを飲んだり、おいしいご飯を毎日一緒に食べれるのが嬉しい。引っ越しを決めてよかったなと毎日思う。「新居に置こう」と言って、家から連れてきたカウズのビックバードが日々いい味出してて愉快。いつ見ても、なんか喋ってるみたいに見える。これは、「はあ〜、あったかいわあ〜」といったところ。

f:id:mkkm1229:20190129122013j:image


周りの人間には何度も言っているのだけれど、随分と保守的な自分が無職を決めて大金が必要かつ初めての引っ越しをするなんてリスキーすぎること、今までなら絶対にできなかった。この決断に至るまでにはいろんな葛藤や苦労があって一言では言い表せないのだけれど、最後の方は、多少リスキーでも思い切って舵を切れる自分になりたかったのだ。絶対に今飛び乗ったほうがいいと直感でわかる列車が、猛スピードで目の前を横切ったとき、ジャンプできるかどうかって、人生を豊かにするのに、とても大切なことだと思う。今回はそれができたから、自分の理想の生き方への大きな前進ができた。

同居人にとってはたいしたことではなかっただろうけど、場所も暮らしもすべてが初めての自分にとっては、そこそこ勇気が必要だったから。

こうやって振り返ると、私にとって人生を進めることは、ビッグな何かになりたいとかよりも、自分を省みて欠けている部分を埋めていくことなんだと思う。デコボコを、少しずつ円に近づけたい。最近それに気付いて、つくづく私らしいなと笑ってしまった。

不安が一切ない無職だから今こんなに気楽なのはわかっているけれど、もう少しゆっくりこの時間を楽しみたいな。この一年が素晴らしいものになりますように。