お引越し

生まれて初めて実家を離れることとなり、引っ越しから今日で10日が経った。ついでに仕事を辞めた。

無職で初めての引っ越しなんて無謀なことを決めた時は不安でどうにかなりそうだったけれど、いざ始めてみたら、毎日がアホみたいに楽しい。自分のペースで新しいことが進められるのが心地いい。やることが毎日山盛りある。なんと新居はNetflixも観れるしPS4もSwitchもあるという、無職が暮らすには完璧すぎる住環境なんだけど、ほとんどする時間がないのが不思議だ。キングダムハーツ3を進めて、Netflixストレンジャーシングスを観たいんだけど、頭の中はインテリアや収納のことで頭がいっぱいだ。

まあしかし、田舎から都会に出て来てカルチャーショックの日々。ていうか、まさか関西の中でもここには絶対住まねーわと思っていた都道府県に住むことになるとは…。

引っ越し後一番驚いたのは、ホームレスがゴミ袋の中からカップラーメンをみつけて汁を飲んでいる姿だった。しかも、悲壮感漂う田舎のホームレスと違って「ラーメンみっけ、ラッキー!」という感じで意気揚々としていて、さらに衝撃だった。家の近くはまあまあ下町で、近所の100均に行くたび、フロア内に永遠と独り言喋ってるおっさんが1人はいる。あとは、やたらとたこ焼き屋お好み焼き屋が多い。新しく買ったチャリンコがパクられないか毎日ヒヤヒヤしている。

新居は、私より年上でまあまあ古いが、その分結構広い。そして、日当たりがとても良くて、冬なのに暖房がいらないくらいあたたかい。リビングに差し込む光がきらきらと明るくて、内覧の時「絶対ここがいい!!」と思った。ここでなら前向きに新生活が始められる気がしたからだ。

と、まあその割に、無職なのに家賃が払えるのか契約日に突然不安になり、相当後ろ向きになったのが私らしいのだけど。

リノベ済みで綺麗な物件だが、何かにつけて相当癖が強い。ガスの業者が「こんなコンロ見たことない」と驚くようなデザインだったり、最早あげればキリがない。引越し初心者すぎて、全部契約してから気がついた。でも住んでみたら、案外全く気にならない。人間の適応力とは恐ろしい。住む前よりも、ずっとずっとこの家が好きだ。癖は強いけど、この家にして良かったなと今は思う。まだソファーも棚もない汚い部屋なのに、ちゃんと「帰って来る場所」として機能していることが、嬉しい。

毎日のスケジュールはというと、同居人と一緒に起きて、味噌汁とコーヒーを温めて、仕事に行くのを見送ってから洗濯物をして、作り置きの食事を作って、掃除して、買い物に行って、就活して…といった感じ。ほぼ完全に主婦の生活だが、就活以外は本当に楽しい。

楽しい理由は大きく2つあって、1つ目は、出来なかったことが出来るようになるのがとっても嬉しいからだ。ずーっと、実家を出たことない&家事下手コンプレックスがあったけど、案外ちゃんとやれているのが嬉しい。実家では部屋が汚くて毎日怒られてたけど、今なら親の言葉の意味がわかる。お母さん、ごめん。申し訳ないんだけど、そういうことを知れるのも、とても楽しい。カビキラーが臭すぎることも、ブルーレット置くだけの機能性も、アラサーにして今更だが、全て感動的だ。

今は晩御飯と収納のことを考えるのが一番楽しくて、週3くらいで100均に通っている。今は到底無理だが、はやく人を呼べる部屋にしたいな。

2つ目は、想像の何倍も、二人暮らしが楽しいこと。大きいテレビを買ったら、テレビ見るのが超楽しくなった。人とテレビ番組見るのってこんなに楽しいんだな。ボーッとコーヒーを飲んだり、おいしいご飯を毎日一緒に食べれるのが嬉しい。引っ越しを決めてよかったなと毎日思う。「新居に置こう」と言って、家から連れてきたカウズのビックバードが日々いい味出してて愉快。いつ見ても、なんか喋ってるみたいに見える。これは、「はあ〜、あったかいわあ〜」といったところ。

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周りの人間には何度も言っているのだけれど、随分と保守的な自分が無職を決めて大金が必要かつ初めての引っ越しをするなんてリスキーすぎること、今までなら絶対にできなかった。この決断に至るまでにはいろんな葛藤や苦労があって一言では言い表せないのだけれど、最後の方は、多少リスキーでも思い切って舵を切れる自分になりたかったのだ。絶対に今飛び乗ったほうがいいと直感でわかる列車が、猛スピードで目の前を横切ったとき、ジャンプできるかどうかって、人生を豊かにするのに、とても大切なことだと思う。今回はそれができたから、自分の理想の生き方への大きな前進ができた。

同居人にとってはたいしたことではなかっただろうけど、場所も暮らしもすべてが初めての自分にとっては、そこそこ勇気が必要だったから。

こうやって振り返ると、私にとって人生を進めることは、ビッグな何かになりたいとかよりも、自分を省みて欠けている部分を埋めていくことなんだと思う。デコボコを、少しずつ円に近づけたい。最近それに気付いて、つくづく私らしいなと笑ってしまった。

不安が一切ない無職だから今こんなに気楽なのはわかっているけれど、もう少しゆっくりこの時間を楽しみたいな。この一年が素晴らしいものになりますように。

日記(2018.11.15)

最近あったこと。

 

ボロフェスタに行った。

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大学生の頃スタッフをしていて、その名残と思い入れで毎年通っている。ここに来るとたくさんの友達に会えるから。と言いつつも、みんな社会人になったり転勤したり結婚したりして、会える人もどんどん少なくなった。それでもやっぱり私にとってはここがすべての起点だ。2011年のフジロックに三日間行ったあと、スタッフになることを決めた。

 

今や自分の代名詞とも言える京都だけど、昔は京都が嫌いだった。内輪っぽくて、よそ者を寄せ付けない感じがしていたから。私の通っていた京都の大学の音楽サークルもそんな感じで、怖くてずっと幽霊部員だった。みんなくるりを聴いてたけど、くるりが纏う少しヒネた京都っぽさなんか、最初はとても苦手だった。

 

でも急に京都が楽しくなったのは、皮肉にもボロフェスタやらで、その内っ側に飛び込み、すっかり自分も馴染んだからだ。案外ややこしいと思っていたものや羨ましいものも自分次第で急にカンタンになったりすることを学んだ。普通の生活をしていたら出会えないような変わった友達にたくさん会えた。

 

ずっとボロフェスタに通ってるとわかることもある。京都メトロで夜遊びしていた頃、彗星の如く現れたホームカミングスが、どんどん大きなステージで演奏するようになって、去年だったか、一昨年だったか、メインステージの大きなステンドグラスの前で演奏していた時は「遂にここまで」と、あまりに感動して涙が出た。

 

地域密着型フェスだからこそ、今年はどのステージで演奏するのか、そういう目線でも京都のバンドの成長を毎年感じられる。モグラさんの愛がだだ漏れだ。京都の音楽の今を全力で体感できる、そういう面白さがある。

 

タイムテーブルや日割りにも全部意味があるのを感じているし、どこにも書いてない運営側の行間に気付いた時、「私、京都にいるんだ!!」と胸が熱くなる。ライブハウスに行くことも減り、今年はその感度も鈍ったなと思ったけれど、台風クラブのライブでは信じられないくらい興奮して、頭がおかしくなりそうだった。

 

Green dayのBasket Caseのカバー、やばかったな。台風銀座では頭がちぎれるんじゃないかと思うくらい踊った。ダサくてかっこ悪くて、めちゃくちゃかっこよかった。今更こんなこと言うの恥ずかしいけれど、音楽が好きでよかったなと心底思った。それを確認しにここに毎年来ているのかもしれない。この二日間、何度泣いただろう。

オウガの動物的/人間的も凄まじかった…。これは1日目だったけど、終わって即友達と四条のHUBまで行って、日本シリーズ第1戦目を観戦したのも良い思い出。カープ、大好きだ!!てんこもりの二日間だった。

 

その他、毎日をなんとかやり過ごして生きている日々。今日街を散歩して、紅葉に驚いた。紅葉なんてあと1ヶ月くらい先のことだと思ってた。外に目をやる気力がない!気持ちが付いていかず、体調は、毎日すこぶる悪い!笑

 

そんな中、フィジカルとメンタルがマジ強の一人スラムダンクみたいな彼氏の安定感と優しさに本当に救われている。サブカルババアの私がジム通いしているような男と付き合うステージがあるなんて想定外すぎるのだけど、とても楽しい。私が何事も迷い唸りながら答えを出すのに対し「これでいいじゃん」と、めちゃくちゃ単純明快な答えを提示してくれるのが本当にありがたい。急に肩の力が抜ける。人に甘えられるのは気が楽だ。

人生なんか想定外だらけで、何もつまずかなかった場合の最短ルート歩くなんて無理だ。ネットに載ってるのは人生の最短ルートばかりで、本当にみんなこんな人生なんか?と不思議に思う。

私も躓いたときに、一人で歩いていける力こそ生きていく術なんだと思っていた。私は長女気質だし、もちろん今もそう思ってるけど、それよりも「なんとかなるよ」と思える力の方がずっと大切なんじゃないかと今は思う。私にとっては、それこそとても難しいことだったから。

そうやって、来年はちょっと今までとは違う選択を取ってみたいな。

日記(2018.10.21)

急に寒くなった。年末が近づいてるんだなと思う。知らない間に時間が過ぎていく。10月という数字に全く重みを感じない。「あ、そう」程度のことで、今年の自分はこんな感じか、と思う。きっと、バラエティ番組見た後つけっぱなしにしたテレビが、気がついたらドラマやってるみたいな感じで、年を跨いでる。
ぶっちゃけ体感では今、季節感無視したら8月くらい。今年は早過ぎるんだよ。

 

最近好きなやつ。

 

平成

平成

 

 

平成/折坂悠太

誰と会ってもこの人の話になりがちだなあ。独特の言語感覚やリズムがクセになる。経歴からいろんな国の音楽から影響を受けているのが顕著なのに、歌詞に使われている日本語があまりに美しくて、音と言葉のギャップが絶妙で気持ちいい。

坂道や逢引のポップチューンばかり聴いていたけれど、今は最後の二曲の畳み掛け方が好きすぎて、「さびしさ」と「光」ばかり聴いている。特に光!

このゲートをくぐる時 振り向けど
私が居たことを 誰も知らず
眠りつくは 持て余す暗闇を
あなたと抱きしめた そんなことも

とある街での、恋人だけが自分のことを知るような二人の生活を思い出す曲なのかなと思う。
なんとなく自分は、「ねむれよ ねむれよ」の部分を、折坂悠太の独特の言語センスだとして通り過ぎることができない。もし当時の恋人と自分にしかわからない、二人が使い古した言葉だったら…と想像すると急に胸が締め付けられてしまう…。

夢は「覚めて」それからさらに数年経って、「冷めて」しまった今みたいな、こういう歌詞の持っていき方、初恋の嵐の「真夏の夜の事」みたいだなと思った。「想像のストーリー などではない」という別れの現実にやっと向き合った部分、とてつもなく切ない。

初恋の嵐 - 真夏の夜の事 - YouTube

まあしかし、折坂くん自身が平成の歌詞は私小説だとたしかインタビューで言っていたけれど、よく出来過ぎていて、聴けば聴くほど想像力が掻き立てられる。

 

あとは近況報告として、snail mailのライブ行った。

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来日公演なんか滅多に行かなくなったので、久々で新鮮だった。ホットヨガ始めて1年経ち、近頃は寝る前も自主的にヨガ始めた。カープが日シリ進出で気分がいい。などなど。

その他、向き合わないといけないことをそれなりにして、頑張らなくても進んでいく一部の物事に心底安心する。動く歩道に乗ってるみたいだ。他人の意見を尊重しすぎるきらいのある自分は、適当な人といるとこんなに楽チンなのかと思う。一人より二人の方が身軽な感覚は初めてで、とても楽しい。

 

んじゃまた

日記(2018.9.20)

最近のこと。
書きたいことも別にないんだけど、最近やっと心に余裕がでてきてホッとしている。

異動して以来、毎日とても辛かったんだけど、先週あたりからやっと、やっと気が楽になってきた。
異動を希望したのは「なにもできない30歳にはなりたくない」というのが理由だ。同僚の産休から引き継いでびっくりするくらい気楽な仕事を一年続けて、なにも身に付かないのが怖かった。

前職はピチピチのアルマーニを着ている社長が経営する少数精鋭のバリッバリのベンチャー企業で、業界内ではものすごい快進撃で売り上げを伸ばしまくっていた。しかしその過酷な環境に、インターン生の間では「あの会社は難易度AAA、カンボジアの内戦に裸でいくようなもん」と噂されていたそうだ。たしかにほぼほったらかしの中、いいようにこき使われて、そこから学びを得ないといけないという意味では難易度AAAだと思う。でもそういう売り文句もあり、マイクロソフトに内定が決まっているような学生がよくインターンに来ていた。もっと他にあるだろうに…。

どんな会社だったの?と聞かれると、私はいつもバトル・ロワイアルに例える。
「限られた環境の中でお客様を満足させなきゃいけないから、毎日、バトル・ロワイアルの武器支給でフォークが当たったときみたいな感じ。殺傷能力の低いフォークでいかに致命傷を与えられるか、ひたすら頭を使いながら仕事をしていた」と説明する。サービス面での限界もさることながら、職場環境もヤバかった。芸能人御用達ということで、しょっちゅうテレビ取材が来るのに、食堂は社長の実家のリビングだったし、昼休みなんてものができたのは私が入社して2年目だ。そう、それまでは昼休みすらなかったのだ。(信じられねえ…)
でも、その分死ぬほど働いていたし、自分のフォーク捌きはそこそこ要領を得るようになっていった。わざわざ自分を選んでくれるお客様が増え、リーダーにもなれた。そういう心地よさはあったけれど、やっぱり劣悪な仕事環境には耐えられなかった。普通の休みが欲しいし、真っ当に恋愛もしたかった。

転職してからは、フォークで戦わなくてよくなった。でも、そもそもここには敵がいなくて、フォークでの戦い方もすっかり忘れてしまった。それが嫌で異動した訳だけど、異動先では全く畑違いの新しい仕事で、なにもできない自分と向き合わなければならない。この歳でそういう自分と向き合わなければならないのは、なかなか大変なことだと実感した。

だけど最近やっと、少しだけ、フォークの使い方を思い出してきた感じがする。悩んでいた苦手な業務がやっとまわるようになり、論理的に上司に立ち向かい、今は文章を書く仕事をさせてもらえるのも、嬉しい。

また来週からあっぷあっぷしてるのも目に見えているけれど、異動後1個目の大きな壁をやっと乗り越えられそうな感じがして、少しホッとしている。
ここまで長かったし、これからまた新しい引き継ぎが始まる地獄が待っているけれど、なんとかもうちょっと頑張ってみようと思う。辛いけど…。楽な方を選びたいのに、自分の成功体験はその逆を選んだ方にばかりあるから、こんな生き方になるんだろうな。もっと要領いい生き方あるだろうに、ね〜。

でも、前職で一生懸命仕事してる自分よりも、日々それなりに、のほほんと生きてる今の自分の方が1億倍好きだ。
今の自分が好きかどうかが「これでいい」というすべてのものさしになっていて、西加奈子には感謝するばかり。

 

最近よく聴いてたアルバム。

Be the Cowboy

Be the Cowboy

 

Be the Cowboy/Mitsuki

Nobody名曲すぎて、地獄の通勤中、この曲にどれだけ助けられたか…。毎回、雨の中傘さして踊っている映像が頭の中に流れるなー。

 

Room 25 [Explicit]

Room 25 [Explicit]

 

Room25/Noname

Nonameの1stが気が狂いそうなほど好きだったけど、2ndもよかった。
自分は底抜けに明るい曲よりも、どちらかというと、暗い方から光を見ているような音楽が好きだなと思う。小袋成彬もこの夏好きでよく聴いていたけど、同じ理由で好き!こういうの聴いてると、元々自分はGRAPEVINEが好きだったことを思い出す。

ここ数年、黒人アーティストの音楽を聴くことが増えている割に自分はそのバックグラウンドを知らなさすぎる。Nonameの1stのジャケットを見ていてもそう感じるし、「toni morrison読みたいなー」と思っていたその瞬間、まんまNonameの歌詞にtoni morrisonがでてきて本当に驚いた!今話題の原田マハ読んだら買いに行きます…。

 

A子さんの恋人5巻がハイパー面白かったので、またそのことも近々書けたらいいなー。

ではまた。

2018年の夏休み

今年も夏休みが終わり、ああ平常運転が始まってしまう!去年の夏休みの日記見てると、むっちゃくちゃ遊んでてびっくりした。

 

mkkm1229.hatenablog.com

 

今年はというと、6日間の夏休みの間、4日間は山口県と福岡県に旅行に行っていた。

夜、新幹線の予約時間ギリギリまで働いていた恋人の仕事の愚痴を聞きつつ、買っておいた駅弁を食べながら2人で山口に向かった。人と新幹線に乗るのってなんでこんなに楽しいんだろう。 昼の間に京都伊勢丹で並んで、「出町ふたば」の豆餅と「ゑびす屋加兵衛」の矢来餅を買っておいたので、デザートに食べた。特別に特別が重なった感じがして、美味しくて楽しかった。

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夏休みなのにほとんど観光客のいない維新の街・萩はとても心地よかった。予定外の市場でバスを途中下車したりして、人と来る旅の醍醐味だなあ。城下町もうろうろ。

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そして私は松下村塾より何よりも、萩焼に出会えたことが印象的だった。大好きな水彩画に似ていてとても綺麗!淡い水色や紫が、キキララの世界観みたいだ。

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お茶碗を買って帰ったけど、毎日これでごはんを食べるたびに、もっとたくさん買えばよかったと後悔する。通販で買うのもなんかなあ…だし、また萩に行きたいよ。

食道炎が治ったと判断して、数ヶ月ぶりのお酒をしこたま飲んだ。唐戸市場で食べた安くて美味しいお寿司と海鮮丼は、再訪への意志を強固にしてくれた。パン屋さんみたいに好きなお寿司をトングでとって飲食スペースで食べるの、夢ありすぎ!

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ああ、そういえば、唐戸市場に着くまで期待を込めてワクワクしながら、走り出したい気持ちを抑えて歩いた景色も、とてもキラキラしていた。

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下関の海鮮も、食べ放題も、博多のもつ鍋も、どれもむちゃくちゃ美味しかったけど、この旅のハイライトは、リーガロイヤルホテルの最上階のバーで飲んだことだった。超予定外だったし、一杯二千円とかアホみたいに高かったけど、こういう漫画みたいな贅沢に、本当は憧れていたんだよな。いろんなことを考えて、なんか泣きそうだった。一杯だけにするつもりだったけど、もう少しここに居たくて、二杯目も飲んだ。こういう贅沢をまた絶対にこの人と一緒にしたいなと、静かに思った。

翌日、このまま実家に帰ると言う恋人を置いて、帰りは一人で新幹線に乗った。新幹線が動き出すと、ゴーーッというとてつもないスピード感を思わせる騒音と、細かい振動が体に伝わって、大きな時間の中に身を預けている感じがした。友達に勧められたミスチルのアルバムの一曲目を聴きながら、気がついたら目の前が滲んでいた。その友達が「ミスチルって未来のこと歌うところがいいんだよね」と言ってたことを思い出した。


Mr.Children「Worlds end」MR.CHILDREN DOME TOUR 2005 " I ♥ U " ~ FINAL IN TOKYO DOME ~

自分の人生も、こんな風に今音を立てて進んでいるのかもしれない、と思った。異動して以降しんどい仕事のことも、結局旅行中忘れられなかった。でも、それもこんな音を立てて濁流のように進んでいる時の流れの一部となって、自分を乗せて前に前に進んでいる感じがした。

過去に時間の止まっていた人間にしかわからないこともある。この日は苦手な新幹線も、怖くなかった。今は、ちゃんと進んでる。

昨年の今は「止まっていた時間を、自分でなんとか動かしている」そんな充実感があった。一歩一歩、地面を踏みしめるように。その度に、どんどん下を向いていた顔が上がっていった。
今年は、台風のように自然発生した大きな大きな時間の流れにいる、そういう感覚がある。

滋賀に帰って、後の二日は、友達と飲んだり、親戚と食事に行ったりした。緩やかでとても楽しい夏休みだった。私はとても幸せだな。

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最近、家路を歩きながら「そういや私、捨てまくったな」とふと思う。今自分の手元にあるいろんな人や物は、煩わしいと思いつつずっと捨てきれなかった大切なものたちと同じ位置にある。

大切だけど煩わしい、両極端が同居するものの扱い方の難しさに以前は振り回された。大切なのに大切にしてない自分を見て自己嫌悪する、そういう悪循環にはまってイライラしていたと思う。社会人になってからは、特に。

おいおい、それってつまり、煩わしいどころか、超煩わしいものだろ!!とっとと捨てるべきでは!と気付くのにとても時間がかかった。

拾うことより捨てることの方がよっぽど難しい。自分が自分でいられなくなるアウトラインを基準にして、取捨選択をすることにはものすごく勇気が必要だった。

地元の友達のグループでいるとき、自分だけ次第にノリが合わなくなっていた。みんなのこと好きだけど、人が同じ価値観でずっとい続けることは無理なんだなと、途中で諦めた。小さい頃から一緒にいるからこそ、これからもずっと一緒だなんて考え、いつの間に植え付けられたのかなと思う。この固定概念が邪魔して、距離を取るのが苦しい。でもその同調的な違和感に気付いてしまった自分は、少し男っぽいのだとも思う。

簡単に捨てられた訳じゃない。全部、手放すのにうんと時間がかかって、どれも身がちぎれるほど苦しかった。
けれど今、辛いことがあっても、自分が心から信頼できる幸せがあって、なにも間違ってなかったんだなと思う。
今年は大好きな友達と、何年振りかもはやわからない琵琶湖花火大会を観に行った。私が大好きなグランディールのパンを買っておいてくれて、めちゃくちゃ嬉しかった。

びっくりするくらい綺麗な花火を、ラッキーなことに無料で大津京の建物の屋上から椅子に座ってみれて、超快適!わあわあ言いながら見た。

どんなに苦しかったか例えようもなかったけど、やっぱり思い切って捨てていってよかった。心からそう思う。大事じゃなかった訳では全くないけど、今大切なものを振り返るたび、これでよかったんだと、強く思う。

忘れられない夏になった。

最近好きな音楽・漫画など

2018年も半分終わったっぽい。凄い勢いで日々が過ぎていく。去年は区切りだなんだって記事を書いていたのに、今年はそんな余裕すらない。何が平成最後の夏だよ、あっという間に終わるわ!

久々に、家にいるのに「帰りたい」と無意識に独り言をつぶやくようになり、ため息には小さく声が混ざるようになった。正直だいぶ疲弊している。オエ〜。そんな毎日の中、音楽や漫画にめっぽう疎くなった自分が珍しくまあまあ摂取しているので、メモとして感想を。

 

最近はまた台風クラブをよく聴いている。

初期の台風クラブ

初期の台風クラブ

 


二曲目のギターのaztec camera感に気付いた時、たまらない気持ちになる!何度も聴いてるとアウトロのギターが楽しみで仕方なくなって心地いい。かっこ悪いバンドだと思っていたのに、よくよく聴いたらギターのセンス抜群!超絶かっこいい!!

吉田に目が行きがちなトリプルファイヤーのギターがイケてることや、ギター弾けるようになってからジュディマリのTAKUYAのギターが超絶テクなことに気付いたときのような感動が聴くたびあって、ここ最近は毎日聴いてる。

私は真正面からいろんなことを受け止め過ぎてなかなか肩の力を抜けない悪い癖があるんだけど、だからPAVEMENTとかこんなへろへろした曲が好きなのだろうか…

 

あと、一番良かったのがこれ。言わずもがな!

LUSH

LUSH

 

聴いていてこんな気持ちになったのはYuckの1st以来かも。赤いジャガー弾いてる10代のあどけないオルタナ女子が一生懸命ソングライティングしてるってだけでもう優勝だなあ。音楽性もひっくるめて、THE こんな女子になりたかった像がまんまそこにあることに震えた。その証拠に私のギターはわざわざのジャズマスター(しかもサンバースト…)。ギター、まじで本気で嫌いだったけど…。とにかく、彼女は1人でやってる感じがするのも、かっこいい。

久しぶりにバンドをやっていた時のことを思い出す。snail mailを聴くたび、とても懐かしい気持ちになる。来日して関西でライブをしてくれることを祈るばかり。

 

あとは漫画。どれもネタバレ感想なので、お気をつけて。メモ程度で、レビューというほどのものでもありませんが。

 

※以下ネタバレ感想注意

 

こんなにも涙がボロボロ溢れ出てくる漫画は久しぶりだった。

何よりこの漫画の、月野が水谷の夢を叶えるクライマックスが息を呑むほど美しい。レンタルで読んだけど、返却まで毎日読んで毎日泣いていた。

いいライブ見た後や、美味しいものを食べた後や、一緒に辛いことから乗り越えた後、そういう特別な時間に、以前から仲良い人とうんと深く分かり合うような会話をしたなと思う時がある。クライマックスのシーンを読みながら、そういう貴重な時間を追体験している気持ちになって、「ああ、私この時間知ってる」と、愛おしさからボロボロと泣けて仕方なかった。人生にそう何回もない、相手との絶妙な距離感や微妙なバランスですべてが成り立つ、愛おしい時間のことだ。

「俺はこれさえあれば特別になれる」と超能力を練習していた月野に対する水谷のアンサーが「人を特別にするのは人の心だよ」というのが深く刺さった。力や才能だけが人の魅力に直結しないことを知るのに、人はとても時間がかかる。私だってそうだ、自分の周りには才能ある人があまりにもたくさんいたから。その話は、また今度。

友人が、「これ読んだ後にミツメのエスパー聴くとやばいよ」と言っていたけれど、本当にヤバかった。しばらくは物語を辿るように聴き続けた。

 

アラサー枠はこれ。

 

凪のお暇 1 (A.L.C.DX)

凪のお暇 1 (A.L.C.DX)

 

web上に嫌ってほどでてくるこの漫画の広告のせいで、読む前からエロ漫画と決めつけていたのだけれど。(凪の彼氏「えーこいつ、くるくる天パなのに俺のために早起きしてストレートにしてんの?!まじかわいいんスけど…」ってやつ。死ぬほど見かけた。)

周りの評価がすこぶる良くて、まずは一巻を読んだところだけど、これもまた、泣いたー!アラサーの女の子が仕事を辞め彼氏と別れ、まっさらからやり直す…というお決まりのお話ではあるのですが。

同じような経験のある人はぜひ手にとってほしい。私もある種凪みたいな状態になって、一から変わる努力をして今があるので、とにかく共感の嵐!強面のスーパーのおばちゃんが優しかったこと、隣の部屋の刺青のお兄さんに話しかけることができたこと、それらを「昔の私ならこの景色は見れなかった」と思う凪。わかる、わかる、わかるよ!全く同じこと思ってた!!

一度全部手放してしまうと、目線がうんと下がって、なんでもないことが驚くほど輝きを放つ。最近自分のこのブログを読み返しながら、例えば「誘いを断れるようになったこと」、少しハードル高めだと「平賀さち枝のライブMCの際に手を挙げて質問できたとき」なんか、まさに凪と同じこと思ってたなあ。さっちゃんに、質問してくれてアリガトって言われて、嬉しかった。

 

あとは今、今更AKIRAにハマっており、そのうち大友克洋云々言い出すのが目に見えている。絵が上手すぎ&センスありすぎて、アクションシーンに興味のない私が興奮して読んでいる。劇場版より漫画の方がうんと面白かった。

 

AKIRA コミック 全6巻完結セット (KCデラックス)

AKIRA コミック 全6巻完結セット (KCデラックス)

 

 

映画「犬が島」を観に行ったときも思ったけど、私は日本人として絶対通っておくべき作品に疎い。弟との共通認識としてその焦りがあり、スタンプラリーの用紙を埋めていくように、漫画や映画を観ている。ここ数年で読んだジョジョスラムダンクドラゴンボール、果てはよしもと新喜劇なんかがそうだ。毎日新喜劇を動画で観て爆笑して、実際に祇園花月に見に行った時は、丁寧に作品に触れて無事大笑いできたという達成感があった。

そういう視点で弟と2人でTSUTAYAに漫画レンタルに行く。今回はその一環としてAKIRAをレンタルした訳である。

正直三国志もそう。漫画「監獄学園」の三国志ネタの時、なんで絵があんなかわいい顔になるの?て思ってたけど、横山三国志の顔になってたことにも最近気づいて、「ほらやっぱいろんなの読んどいた方がネタがわかってめっちゃ楽しいよね!」とさらに弟と私の気が引き締まったのだった。

映画にはそもそもあまり興味がないので頑張る気はないんだけど、弟との直近の目標は「7人の侍を観ること」です。いつ達成されるやら。

 

せっかくの夏グルメ楽しみたいから、はやく食道炎治らないかなー。ビール飲めない野球観戦には慣れたけど、やっぱりはやく飲みたーい。

日記(2018.6.4)

このブログもコンテンツが増えてきて、毎日コンスタントに人に見てもらえるようになってきた。とてもありがたい。インプットしたらその分アウトプットはしていたい、その気持ちを最も満たしてくれるのはブログだなー。前の記事、ミツメのライブ見た後すぐにスタバに駆け込んで書いて、とても気持ちよかった。


4月から異動となり、毎日仕事がなかなかキツイ。仕事内容は別にいいんだけど、根本的に合わない上司と働く苦しさを久々に味わっている。

私は「文句も言わず取り組む」ことにさして価値を感じないので(いやできる人はほんとすごいんだけどね!!)毎日社外では文句やら悪口も言いまくっているのだが。

昼休みに苦手な上司と同じフロアにいるのも嫌で、最近は近くの公園でぼーっとしている。そしたら別の部門の部長が猫みたいにふらっとやってきて、「最近どー?」と隣でタバコを吸いながら話を聞いてくれる。部長は白髪混じりで髪がグレーで、目が茶色くて、全体的に色素が薄い。背の高い茂みの中でタバコを吸ってると、部長というよりかは、灰色の猫をみつけたような気持ちになる。

「入社以来二日に一度は公園にタバコ吸いにきてる」とのことで、テリトリーに侵入して申し訳ないなと思いつつも、居座りながら愚痴を聞いてもらっている。基本的に私はオッサンに可愛がられることが多く、この会社にいて今は本当にそれがありがたい。こういう社内のオッサンネットワークが私にいくつかある。居酒屋でバイトをしていてよかった。

しかしながら愚痴を聞いてもらった後、最後に「まあ、私は負けませんけど」とかそういう一言が毎度いちいち出てきて自分でも鬱陶しい。だって、こんなことで自分から折れてたまるか。

ここ数年いろいろありすぎて随分図太くなったので「まあ仕方なくねー?」とさっさと折り合いがつけられるようになったのも事実なんだけど、やっぱ辛いってカテゴリ内にいることは事実なんだよな!昔のしんどさに比べて全然マシなのわかってても、辛いカテゴリ内のその瞬間を生きてるのも自分だし。あー、サラリーマンだなあ。

こういうこと書いてると、明日はもう少し気楽に仕事ができればなとも思うし、明日の朝起きたら「罪と罰」のジャケットの椎名林檎になってて、問答無用で上司からの稟議書とか全部突き返したりできたらなーとも思う。

 

罪と罰

罪と罰

 

 

最近何があったっけ。

大きいのは、京都の山奥まで、スターフェスに行ったこととか。

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今回は10人でキャンプ。どこぞのパリピだよ!て感じだ!あー、楽しかった。

昼夜踊ってた友達に「何が一番楽しかった?」と聞いたら「テント周りかな」と言っていて、超共感した。音楽も楽しかったけど、食事作ったりみんなでゴロゴロ寝たり、楽しかったな。友達のことが好きすぎる…。

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セカロイとか行ってた頃は、楽しくて楽しくて吹っ切れたときにだけくる夜中3時くらいの「踊ってるのがハイパー最高モード」に入ることがあったけど、寺田創一で久々にそこにガッツリ入った感じがして、一人なのに踊り狂って汗かいて最高に楽しかった!

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そして最近、ミスチル椎名林檎Apple Musicの配信が始まって、懐かしすぎて頭がおかしくなりそうだ!「絶頂集」とか、放課後に制服でチャリンコ漕いで古本屋に買いに行って、中身が8cmのCDだったので「うおお久々にCDちっせえやつだー!!!今のコンポで聴けんのかよお!」ってなったなあ。

ミスチルはそんなに知らないんだけど、ミスチル好きな人が世の中にいすぎて、なぜか私の人生のあらゆる場面で関わってくることが多い。

Apple Music入ってんだから新しい曲聴けばいいのに、新譜はそこそこに最近はミスチル椎名林檎の繰り返し。椎名林檎聴くたびに、音楽に夢中だった時のエモい気持ちを思い出すのが気持ち良い。今の子達はCDで買ってた時代って馬鹿馬鹿しいんだろうな。全部買った時の気待ちと思い出が繋がってて、超楽しいんだけどなー。