7日間の夏休みのきろく

本当によく遊んだ夏休みだった!せっかくなのでまとめておく。

1日目
怖い絵展へ。

www.kowaie.com

とても混んでいると聞いていたので、午前中から。
ボリュームがめちゃくちゃあって驚いた。全部見るのに2時間近くかかった。昔大流行したダ・ヴィンチ・コードという推理小説があるが、高校生のとき大ハマりして以来、西洋絵画に描かれたメッセージとか謎を読み解くような展示が好きでつい行きがち。ルーブル美術館展は、美術展の人生ベストに入るくらい楽しかったなー。そういう経緯があって怖い絵展にも行った訳だけど、結局その時代に即した怖さがいまいち自分にはよくわからず、そんなに怖くなかったから少し期待外れだったかも。とはいえメインの「レディ・ジェーン・ グレイの処刑」はとても大きな絵で迫力があり、一見の価値ありといった感じだった。
ユリシーズとセイレーン」もとても良かったなー。美女セイレーン、海に浸かってる間は人魚なのに、あがると下半身が海藻に包まれるって、どんなエロい設定なんだ…。
ついでに横尾忠則美術館にも寄るつもりだったけど、怖い絵展のあまりのボリュームにそんな体力も残っておらず、せっかくなので元町で餃子を食べて帰った。
淡水軒とひょうたん、最後に元町ケーキでざくろ食べて、トリウオで飲んで終了。

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以前行ってこんなに美味しい居酒屋があるのかと感動して忘れられなかったトリウオにまた行けて嬉しい。ここの鶏肉は、やわらかくてフワフワしていて、鶏肉嫌いの私でも食べれるほど。少し高いけど、またいつか機会があれば行きたいな。

しっかし本当に神戸三宮の楽しみ方はさっっっぱりわからない。行くたびに思う。モザイクは昔から行くたび後悔するし…。今回も餃子巡りが楽しみ方の一つだと思って行ったけれど、それ以降の時間のつぶし方がわからず難儀した。(結果、ケーキ屋で1時間涼んだ)
私の住んでいるところからは相当遠いのでよっぽどのことがない限り行かないが、大阪よりうんと都会に見える(というか新宿っぽい)のに、なんでもありすぎて、何をどこでどう楽しめばいいのかわからない。
って、ただ私が街を知ってるかどうかなんだけどね。よく知っている京都はいつ行っても楽しいし。神戸の楽しみ方、いつか誰かレクチャーしてほしい!ほんと、おいしいものがとびきりある街だもんな~。

2日目
滋賀の音楽フェス、寝待月のショーへ。参加は1日目の方。いつか行ってみたかったから、行けて嬉しい!ラインナップもまた絶妙で、普段からクラブで踊っている人達なんかはなかなかそそられる。

nemachizukinoshow.com

会場に入るまでにこの難関があったのは困った。

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川を渡らないと進めないので、スニーカー脱いで行く必要あり。こんなんだったらサンダルで来たのにー!翌年からはHPで告知とかしといてほしい泣
次行かれる方はお気をつけて。

フェス自体はTHE 夏の思い出なロケーション!とっても楽しかった!人もそんなにいないし(特に午前中はだいぶ少なかった)、ステージ間の距離は音が混じらない程度に近いし、大自然だし、フジロック帰りには優しすぎる環境!フジで観れなかったMONO NO AWAREが観れて嬉しい!ライブめっちゃよかった!

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特筆すべきはフード!!超満足!!

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出店は少ないながらどの店もめっちゃくちゃおいしいし、地元にこんなおいしい店があったなんてという宣伝効果も果たしており…。あと安い!ピザとか500円だったし、他のフェスならあと200円くらいしてもおかしくないな~という値段設定がだいたいのお店でされていたのでお得感あり!

のどかで琵琶湖以外のアイデンティティが少ない故、関西の中でも忘れられがちな県民同士が集まるとまあまあ結束力が高い。そういう県民性をうまいことくすぐるようなグッズも売っていてよかった。まじでフェスのテンションだったら買いかねない…。これはラルフローレン意識なんだってさ。

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リカックス可愛かったし、大沢伸一もラビリンスやってくれたし、フジに続いてこの夏二度もラビリンスが聴けるなんて贅沢!

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楽しかったので、来年もあれば行きたいな。

かなり近場のフェス故に準備がぬるかったんだけど、後悔した点としては、椅子持ってけばよかった!ヘリノックス持ってきてる人多かった。あと、靴はトレッキングシューズの人も結構いた。スニーカーでも全然いけるけど、雨も降りやすい場所なので、トレッキングシューズかサンダルがより◎だったかも。
さすがに会場内のミネラルウォーター400円は高すぎるし、熱中症対策に絶対水は持って行った方がいい感じ。朝は雨降ってたのでゴア着てました。

3日目
夜に会社の元同僚と京都、河原町へ。

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最近涼しいので、鴨川飲みが進む。この時期はゼロ次会もしくは二次会がだいたい鴨川になるので、コスパ最高!私は学生時代からこの街のそばにいれて心から幸せだと思う。鴨川の等間隔の法則は、男女で座ればもちろんのことだが、女同士で座っても心の距離が縮まる。私がカウンター席が好きなのは、この場所の影響もある、絶対。
それぞれのユーミンの最強曲を語り合って、カラオケへ。友達の最強曲は「DESTINY」、私は「潮風にちぎれて」。どっちもサンダルネタだ。


My favorite songs vol,2

ユーミンは強がりな女心を繊細な表現で描いてくれるから、救われるよなあ。14番目の月もそうだけど、悲しいとか悔しい気持ちを頭の片隅に置きながらも「いいの、私はこれで」というスタンスの方が、うんと共感できませんか。同時に、聴いてる方は隠していた痛みが鉛でぶたれたみたいにジンジン響いてくるけど。

ずっと泣いてるより、ユーミンの歌詞にでてくるような、芯が通っていて泣かない女の方がかっこいい。トレンチコート着てバンダナ巻いて颯爽と歩いているいつぞやの年代のモデルのイメージ。ちなみに潮風にちぎれての歌詞はこんなの。

泳ぐにはまだはやい よせ来る波くるぶしまで
あなたの好きなこのサンダル なぜはいてきたんだろう
砂浜にうちよせた木ぎれひろい 沖へ投げた
あなたと歩いた年月をけちらしてみたかった

こんな歌詞を書ける人、他にいないよなあ。あとは私、いつか山手のドルフィンに行きたい!

いつの間にかカラオケがユーミンからスピッツメドレーみたいになってて、スピッツのさらばユニヴァースから、大宮サンセット歌ったら、なんだか物語のようにしっくりきた。さらばユニヴァースはお互い気がある状態の付き合う前、大宮サンセットは付き合ってすぐの歌詞だと思う。

4日目
夏休みボドゲ大会。

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恒例化しつつあるこのイベント、「あー、めっちゃくちゃたのしかった…。」という充実感が寝る前までぼんやり残る。元々会社の同僚たちと定期的に行ってたんだけど、最近は普段からクラブのイベントやライブで会う音楽友達を誘って行くようになりまして。音楽関係以外の場所で会う楽しさと嬉しさもすっごいある!毎回新しいボドゲに手を付けてはお気に入りのボドゲを増やしていくのも楽しい。まじレンタルして徹夜でボドゲやりてえ。

定番だけどゴキブリポーカーも楽しいし、おばけキャッチも盛り上がるなー。
初期遊戯王ってボドゲ大好き漫画だったイメージがある。ボドゲのイラストや造形の美しさも含めて楽しめるようになったので、遊戯の気持ちがわかる。もう一度読み返したいな。今気になってるボドゲは友達に教えてもらった「なんじゃもんじゃ」です。

5日目
「そろそろガタがくるなー」という予想通り、悪寒がしたので午前中は車の運転の練習をして、その後は就寝。遊びまくるのはいつも4日連続くらいが限界。近所のスーパー銭湯に行く。

6日目
広島カープVS阪神タイガース@京セラドーム。今年の観戦は7試合目くらいかな?本日は弟と。試合前にあべのキューズモールで行われている「広島カープまつり」にて、ガリバー岡崎に似顔絵を描いてもらおうと思ったのだが、本当にまつりだなんて銘打っていいものだろうかこの小さな催しを………

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小さなスペースに、グッズ販売もなく、販売しているのは速攻で売り切れた選手のサイン付き写真や本日の広島のスポーツ新聞など。知ってたけど、なんかさすがに…うおーい!!泣
完全に拍子抜け。とりあえず今年のMVP投票があったので、私は薮田に、弟は応援している九里に一票ずつ。
ちなみに、ガリバー岡崎の似顔絵は13時半に着いて「混んでるので17時半からになります」と言われたので、試合間に合わへんやんけ!と断念。うお~いつか似顔絵描いてほしい!次またチャンスがあればもっと早めに家出る!広島じゃないとなかなかカープなお祭りってないので、今後、もう少し大きい規模で何かあったら嬉しいなあ。

この日は京セラドームのレフトビジター上段で観戦。先月は京セラのレフトビジター中段?で見たが、上段はエアコンが効いててめっちゃ涼しい…。全然違うな~。

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結果は11-6で勝利。先発ノムスケの立ち上がりが悪くて少し心配だったけど、1回から大好きな丸が3ランホームランを打ってくれて嬉しかった。やっぱり野球観戦は楽しい。宮島さん歌いすぎて疲れた。
ただでさえ新井さんの打席になると観客席が沸くのに、7/7神宮での代打逆転3ラン以降は、「代打 新井」の歓声がさらにすごい。観客席の温度が3℃くらい上がる。まさに皆が待ってましたというヒーローっぷりで、これを体感できるだけでも試合観に来た甲斐があるなといつも思う。

それにしても、ほんと実際に観に行った試合では選手の細かい部分は見えないので、家に帰ってからTwitterなどで試合の状況見ると自分の知らないことがたくさんあってびっくりすることが多い。先月観た試合は阪神の西岡が一岡を威嚇…ということに帰宅後に驚いたり。なんだか一粒で二度おいしいという感じで、楽しい。

あと京セラはバッファローズポンタのグッズが買えるので嬉しい。ポンタ超かわいい!この日はマスキングテープを買った。キー太もかわいかったし、球団マスコットは正義だな~。

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7日目
銭湯友達と県内屈指の某スーパー銭湯へ。連休最終日ともあって、完全に守りの体勢に入った。いつか家を出ても、スーパー銭湯のある街で暮らしたい。岩盤浴超~~最高!

その後は別の地元の友達に迎えに来てもらい、そのままいつものコメダ珈琲へ。上原多香子似のダントツの超美人と、風呂上がりのすっぴんのオバハンという具合で、みじめにも程があったが、厨房で「あの組み合わせやばくね?」など俗な会話が発展されないであろうことを信じることができる、選りすぐりの地味なコメダ店員たちを愛するあまり、私たちはこの店から離れられない。(つまり本当に人の目とかどうでもよくなる神空間、完璧なソファーの硬さや高さ、若者というよりおばさんの井戸端会議に適している点など、何も背伸びする必要がないことを最高評価)

どうしてこんな加藤紗里みたいな友達のいっぱいいる子と私が仲良いのか周りから見たら謎でしかないだろうけれど、私はこの子ほど、真面目で他人に気を遣いすぎという側面に関して自分と考え方・ダメージの受け方が似ている人間を知らない。一緒にいると恐ろしく落ち着く。恋愛と仕事はほとんど同じ内容の悩みで、励まし合ってなんとか乗り越えたり、いまだにグダグダと言い続けたり。

この日は「気を遣いすぎて人間関係がしんどくなるときがある」という話で盛り上がり、私は自分の欲求を通すことを悪と思っていたことに最近気づいた。こちら側の要望を伝える前にだいたい他人の希望を通すので、「君の好きなようにしていいよ」と言われると、どうしてよいかわからず、一瞬たじろぐ。原因は姉として育ってきた環境にあるのだけれど、自分の欲求をちゃんと相手にぶつけられるようにしたい。だって、相手がなんも知らんうちに気を遣って1人で疲れているし。以前は、例えば一生懸命沈黙に気を遣って盛り立てて、自分がピエロになった結果「なんですかそれ」と言われたり、「その話題はないよ…」と言われ失敗すると、ほんと、私って一体なんなのかなあと思っていた。相手には何にも考えず言ってるように見えるんだろうなー、って。結果論と言われればおしまいだけど、もう少し器用にできればと思う。まあ最近はどうでもよくなって、沈黙になってもずっとほったらかしだけど。 やっと、相手はそれほど気にしてないということにも気づいたから。

ともすれば、私のそういう部分を全部見抜いて「本当はこっちがいいんでしょ?」と手を引っ張ってくれる稀有な才能を持つ人が現れることもあり、人生よくわからない。

コメダに行く途中、ふと友達が、車を運転しながら「あんたはなんでも自分でどうにかしようって思うじゃん。例えば男みつけて、生活や金銭面でそこに乗っかろうとする人なんかたくさんいるのに。」と言った。はは、そんな選択肢あるなんて思いもしなかった。そういえば、いろんな人に支えてもらいながら、この一年、ずっと一人で揺れながらも前向いて、戦ってたな。そのせいで、しんどいのに無理して「もうやめていいんだよ」と言われることももたくさんあったけど、それよりも歩を進めた分、自分の元気になって返ってくることの方が嬉しかったんだ。半年以上ずっと苦楽を共にした友達にそう言ってもらえて、胸が熱くなった。今は無理するのもアホらしいから、スローペースだけど。

ゆーーっくりしながら、地味~にエンジン入れてる私の戦いが終わるまで、あと少しな気がする。もうちょっと頑張りたいなー。夏休みの最終日に、なんかむちゃくちゃ元気出る言葉もらった。2017年が終わるまであと少し。今年やり残したこと、全部終わりにできたらな。よーし動くぞ。
今年の夏休みはとても楽しかった。来年はこうもいかない気がするから、思いっきりリフレッシュできてよかった。

やっぱ夏はいいなー。長くなりましたが。さて切り替えて頑張ります。

【7/29(土)】FUJI ROCK FESTIVAL2017 2日目

「こんな過酷なフェス、もう絶対行かねー!!」と思ってから、6年ぶりのフジロック。想像の何倍も楽しい時間だった。特に土曜なんか雨がきつくてゴアテックスでも若干染みてくる程だったけれど、そんな中の待ち時間ですら楽しかったし、特別良かったなあと思うアクトは、どれも友達の顔と一緒に浮かんでくる。道中から、思い出がたくさんできたフェスだった。この日会えたいつもの友達、初めての友達には感謝でいっぱいです。

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今年のフジロックには特別な想いがあった。

フジロックに行くことは去年からの私の目標だった。去年体調を崩して以来、タイコクラブに行くことも、広島のマツダスタジアムに行くことも、ハイキングに行くことも、楽しみであると同時にすべてが挑戦で、その一番先にあったのがフジロック。だから、去年「もうこんな体じゃ一生フジには行けないかも」と思ってわんわん悔し泣きした自分に、どうしても「行けたじゃん!」と言ってあげたかった。
でも、楽しすぎて、そんなこと帰路につくまで一度も考えなかったな。無事に飲みまくりーの踊りまくりーので意識せずとも目標達成、帰宅してから私は今抜け殻のようだ。ただ、心も体も尋常じゃないほど大きなバージョンアップが行われたことを痛感している。フジから帰ってきてから、悩み事が急に小さく見えたりする。この一年で私が得たものの大きさは、言葉にできないほど大きい。よっ、行けたじゃん!私!

自分を甘やかすことは、自分を大事にすることだ。何も悪いことじゃなかった。何するのも命懸けで、泣いてばっかりだったけど、一年かけて私はとても強くなって帰ってきた。人生に休息期間があるとすれば、私はこの一年がそうだったんだと思う。もう自分の体だけでいろんなことを背負うのはやめた。

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私は7/29(土)、7/30(日)の後二日間参加でした。
7/29は、まず平賀さち枝とホームカミングス。木道亭が混みすぎてて結局ほとんど観れなかった。来年から木道亭は要注意、メモメモ。AVARANCHESはちゃんと来てくれてよかったな~。友達と、雨の中一番踊れた。ビジュアルがまた最高、念願のSince I Left You、楽しすぎる!

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CORNERIUSは数曲聴いてから、入場規制必至のオザケンへ移動。新譜ももちろん良かったけど、Point Of View Pointを聴いて本当にコーネリアスなんだ~という気持ちに。NEW MUSIC MACHINEやってたら早めのオザケンへの移動にちょっと後悔してたかもしれないけど、やってなかったので安心した。


そしてオザケン。私はみんな程オザケンが好きな訳ではないし、特に世代でもないから青春時代の思い入れもないんだけれど、ホワイトがただならぬ熱気に溢れていてびっくりした。既に超満員、もう少し遅かったらホワイトに入れていなかったかも…。友達と一曲目の予想をしてたけど全部外れて、まさかの今夜はブギーバック!しかもスチャダラパー来てる!!昨日のスチャダラにオザケンが飛び入り参加することをみんな予想してたみたいだけど、逆だったとは。歌詞の映像が流れていたので、観客全員でカラオケ状態。楽しかったし、横で感動して泣いてる友達や、「新曲が9月に出ます」というMCを聞いて「ッッッシャー!!」と声を出しながらぎゅっと小さな体を縮めてガッツポーズをしている女の人を見て、みんな今にも溢れそうな想いを持ってオザケンを見ているのが感じられてドキドキした。その空気感は間違いなくフジ三日間の中でも特別なものだったし、この空間にいれたことはとても貴重だなと思う。あまりに歌声が美しくて、ライブを観る前よりも、オザケンのことが好きになった。


次のLCDは楽しみにしていたけれど、雨がめちゃくちゃ降ってきたので、仕方なく避難。うわ~いてればよかった~と思うようなセットリストだったけれど、ホワイトからグリーンへ家畜のように誘導されている自分たちをギャーギャー俯瞰して見ているのも楽しかったので、まあよしとしまして。見たいアーティストがちゃんと見れない、それも自然の力と残りの体力に左右されるフジロックの醍醐味だ。(と思うしかないよなあ)


この日のベストアクトは、Coccoだったかなあ。
びっくりするようなセットリスト!「本当に今2017年かよ!」と声を上げてしまうほど!新曲が少し入っているとはいえ、ほとんど16年前に出たベスト盤のようなセットリスト…攻めすぎだぞこっこ!!!

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1.けもの道
2.カウントダウン
3.強く儚い者たち
4.Raining
5.樹海の糸
6.絹ずれ ~島言葉~
7.音速パンチ
8.ジュゴンの見える丘
9.焼け野が原
10.Way Out
11.有終の美


けもの道から樹海の糸までの流れなんて、昔こっこを聴いていた人にとって震えるよう。しかも天気は雨。「この天気でRainning聴けたらやばいなあ」なんて思っていたら、本当にやってくれたからびっくりした。雨に打たれながらのRainning、これ以上のロケーション、なかなかないでしょ!
ヒット曲に関しては、ほとんどソラで歌える。中学、高校生のとき、カラオケでcocco歌いたくて、一生懸命覚えたことを思い出したり、coccoを聴きながら通った通学途中の道のりや当時のcoccoの曲のイメージ映像が頭に流れてきて、10年以上昔に引き戻されたみたい。一緒にフジに来た友達と一緒に、思わず歌ってしまった。
ついで程度に見たはずのcoccoがこの日一番印象的なアクトでした。でも一人だったらそこまでだったかな。だってcoccoの歌声がどうだったとか、そういう記憶はあんまりないから。友達と一緒に観れてとても嬉しかった。めちゃくちゃ笑った、あはは、coccoなのに!

 

続きの7/30はまた後日。

さくら/西加奈子

半分くらい読んでいたけど、それから半年間放置。最近になって続きを一気に読んだ。いろんな作家がいるのに、本って何を読めばいいのかよくわからない。いいなと思った作家の本を遡ってずーっと読み続けていて、西加奈子がその代表的な一人だ。自分の性格が出ているなと思う。
できるだけ重くなくて、最後に救いがある本じゃないと嫌だと思うようになってから、簡単にいろんな本に手が出せない。

 

さくら (小学館文庫)

さくら (小学館文庫)

 

一匹の犬と、家族の話だ。
雑種の愛犬サクラを全身でかわいがるように、長谷川家の人々は全身で人を愛する。それが「長谷川家のやり方だ」という言い方が、私はとても好きだった。あとは、「うちの家らしい」だとか。「〇〇家のやり方」って言葉は粋だなあ、これほど世の中に家族のコミュニティが存在していながら、家族の一人がそんな風に言える家はどれくらいあるだろう。カップルならまだあると思う、2人だから。けど、この漫画のような5人家族の中の3人の子どもが、両親の価値観の一部をとても心地の良いものとして受け入れ、毎回が最短距離ではない、くねくねと曲がった曲線のコミュニケーションの先に、気持ちの良い落としどころに持っていく安心感は、雲の晴れ間みたいに柔らかくてとてもまぶしい。

改めて、夫婦は奇跡だ。たった2人から、それを超える3人をつくることができるなんて。
そんな風に思うほど、長谷川家の子ども3人は、血の繋がりだけではなく、両親のやり方を引き継いで、好んで5人家族の当たり前にしていった。なんとなく、夫婦の下に三つ線が引かれた家系図が、とても意味ありげに頭に浮かんだ。こんなの、ただの記号だと思っていたのに。

我が家には「やり方」があるのだろうか。両親の夫婦仲は冷めきっているので、正直長谷川家のようなやり方はない。けれど、同じ芸人のコントみたいに、家族のパターンはある。

例えば、うちの父はとても優しい。それだけが取り柄とも言えるほどに。私は嫌な顔をされたことは何度もあっても、父に怒られたことは人生で一度もないかもしれない。弟はそんな父を見ているので、人気のない飲食店に対して「かわいそうだから」という理由で入ることができるような、不憫なものに弱い優しい心の持ち主だ。私は文句も悪口も言うが、情に訴えかけられると折れやすいという意味では完全にこちら側の人間である。

けれど、母は違う。
昔、家族旅行で大王岬に行った時、ヨボヨボのおばあさんがボロボロの露店で海苔や昆布を売っていた。「ヨボヨボのおばあさん+ボロボロの露店=めっちゃかわいそう」の図式が完全に出来上がっていたので、弟は「なんか買ってあげたい…」という表情をしていたが、それに目もくれず、母は「この昆布どこ産ですか?ここじゃないですよね?」というダイナマイトを投げていた。

おばあさんに「…韓国産やけど…。」と言わしめた姿は忘れない。結果的に母は老婆の見た目に騙されず昆布の産地を爆くことに成功したが、老婆の生活を想っていた私たちにとってその昆布はどこ産であろうが関係なかったので、血も涙もない女だなと思った。

つまり、うちの家族は母によってかなりバランスが保たれている。たまに、平和ボケした温厚なハブだらけの一家マングースがぶち込まれたような存在感を放つ時がある。一度、父が怪しい壺を売りつけられそうになっていた時に、母が家から商人を追い返したのを見て、母こそうちの大黒柱なのだと思った。たぶん母がうちで一番、リアリストなんだと思う。そこに情は不必要だ。こういう人間が、家族に一人はいないといけないのかもしれない。
これがうちの「いつものパターン」で、情に弱いという欠点を母以外が理解しているからこそ、母の信頼は家族の中でぶっちぎりである。「長谷川家のやり方」というほどではないけれど、「うちの家族らしいな」と思うのは、いつもこのパターンが見えた時だ。

なんとなく、そうやって家族のあたたかい部分を因数分解したくなるような気持ちにさせられる話だった。それぞれの家族の「やり方」が一つではないし、誰か欠けてしまったときに同じやり方を求め続けると歯車が狂ってしまうこともある。そういうときは別のやり方を探したらいいというというメッセージがきっと、長谷川家の父が病院を探すシーンに込められている。

サクラ、かわいかったなー。私はいつか、死ぬまでに絶対猫飼いたいけど、犬でもいいなあ。サクラの質感も毛の感じも、リアルに感じられるほど、サクラがでてくるとき、私はサクラを抱いているミキになった。

あなたはあなた/柴田聡子

「愛の休日」は、私的2017年アルバムベストオブザイヤーになること間違いなし。前のレビュー記事をあげたときの100倍ハマっている。そのときは、柴田聡子の人間たる魅力に迫っていたけれど、今は曲の魅力にどっぷり浸かっている感じ。「まさか、自分が、柴田聡子に、ここまでハマるなんて!!」と、言葉の間に一呼吸置きながら大きな大きな声で言いたいくらい!

愛の休日

愛の休日

 

 以前、柴田聡子の前のアルバムがでたときに、友人が「れんこんの穴にお箸を 詰めて 冷蔵庫にそっと置いておいて 見つけたきみは何も言わず お箸を抜いて支度を始める」って歌詞に対して、「やっぱりなんか怖いよ」と言っていたことを思い出して、そりゃそうだよなと笑ったことがあったけど、そんな遠巻きに見ていた人達も巻き込んで彼女のファンにさせてしまうのが、「愛の休日」なんだろうなと思う。だってこのアルバム、なんだか楽しい予定の当日に、静かに朝が始まっていくようなウキウキとワクワクがありませんか。淡々と始まるスプライト・フォー・ユーのイントロから心地よくて、通勤時に電車に揺られながら聴くと、眠たい体がゆっくりと車窓越しの朝の光に順応していくようだ。

 

そしてこのアルバムの中でも、特に名曲指数が抜群に高いのが「あなたはあなた」という曲ではないだろうか。柴田聡子にしか歌えない微妙なニュアンスがこの世には確実に存在していることを確信する一曲。

歌詞を人物像から紐解くと、こういう感じだと思う。

うわさに聞いたけど 銀行に勤めてるって 嫁さんもらわずに毎週出かけて行くって

あなたの休日はたまに贅沢をして 遠い外国にもひとりで行くって

おみやげなんにも買ってこないで いい匂いだけで帰ってくる

 いくつか「あなた」を描写している部分を抜粋したけれど、よっぽど一人が好きな男のようだ。恋人がいなくても、何でも一人で楽しめるタイプの、その中でも相当変わっている男性なのが見て取れる。なぜなら、「なにかが欠けている なにかがありすぎる 人のきもちとして間違っている」という部分は、私はお互いのことを指していると解釈しているので。

そんな彼を「わたし」は具体的にどう好きかと思っているかというと、異国の香りを引き連れて帰ってきた彼に対するこのキラーフレーズ。

お母さんも知らないような香り

一人で外国へも行っちゃうような自由人としての「彼への憧れ」を、「おかあさんも知らないような香り」というたった一言で表現しちゃうんだから、柴田聡子ワールドの恐ろしさたるや。みんな幼い頃、母親が知らないことなんてこの世にないと思ってたもんな。しかもこの「おかあさん」というワードが、二人が幼馴染であった関係や「わたし」の子供っぽさをなんとなく彷彿させている気にもなる。もう、柴田聡子は短歌でも書いた方がいいんじゃないか…。第二の俵万智になれるよ、きっと。

そんでもって、この部分の葛藤がかわいくて。

放っておいてとも思わないの わかってくれとも思わないよ

つまり、自由で一人でどこへにも行ける彼に憧れているけれど、彼は一人が好きなので他人といることに興味を持ってもらえない、でも好き、そういう風に聞こえてならない。
「あなたの生き方に水を差したりしませんよ、でも少しはかまってほしいな」という本音が見える気がする。

というわけで、結論が遅くなったが、「あなたはあなた」の切なさの真髄は、自分が彼を好きな理由が、自分に興味を持ってもらえない理由でもあることだ。
と、私には思えて、この曲を聴くとマンガ一冊読んだ後のような充実感を得られる。1曲4分前後の少ない情報で想像力が掻き立てられる曲を私はよく「マンガみたいな曲だ!!」と喜んで言うけれど、まさにそんな一曲だと思う。

そして、この曲において大事すぎる、最後のサビに向かうこの部分。

好かれても嫌われても人と人とのことだもの
いつか赤い屋根の温泉行きたいの

これは省略された部分を正しく書くと、こうだろうか。

好かれても嫌われても人と人とのことだから仕方ないわ
でも本当は、いつか一緒に赤い屋根の温泉行きたいの

「いつか赤い屋根の温泉行きたいの」でパーッと前が開けていく明るい景色が見えて、胸がキューーッとなる。もし彼女がアイドルだったとして、私が「聡子ーーー!!!!」と叫ぶならここ。聡子ーーーーーーーーーーーーーー!!!!

だってここで初めて、相手を大事に思うあまり、ずっと遠慮がちだったわたしから、初めて「~したい」なんていう、本音がでてきたのだから。
ここからの繰り返しのサビは、スプライトのしゅわしゅわの泡のようにはじけて、きらきら明るい幸せな気持ちでいっぱいになる。キーが上がる訳でもないのに、このクライマックス感、一体どうしたものか。

ちょっと変わった人だけど「あなたはあなた」。そんな変な人が好きな変わった私も「わたしはわたし」。この言葉は片方だけではきっと成り立たなくて、この相互作用の奥にはきっと彼女の恋心への誇らしい肯定がある。
ああ、恋だなあ。
柴田聡子の純粋な声でこんな歌を歌うのはずるすぎる!応援せずにはいられない。
好きな人の大切な趣味や価値観を、何も口出ししないという姿勢で黙って大切にするところも、私はすごくかわいいと思う。普通は西野カナのトリセツみたいに、あーやこーや言っちゃうけど、水を差さない愛ってそりゃもう、忍耐力がいるはずだから。だって、相手には伝わらないもん。でも、見守る愛だってあるのだ、何も与えるだけが愛ではない。

「高いレールの上を走る 黄色い二人乗り自転車」なんていうのは、こういうやつかな。

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既にあった出来事なのかは定かではないけれど、
きっと行けたらいいね、遊園地。赤い屋根の温泉じゃなくても。

永遠に銀河の風に吹かれて

遂に2017年も半分が終わってしまった。「また歳をとるなあ」と、いつものような悲しい気持ちにはならない。「ちょうど半分くらいかな」と思えるペースとボリュームで日々自分が柔らかく変わっていくのを実感しているからだと思う。速すぎず遅すぎず、どちらかというと遅い方が安心する。速いと、また急かしているのかなと思ってしまうから。私は上半期、本当にゆっくり生きた。少し急いだ時もあったけど、そういうときはその分ゆっくり歩いた。

 

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昨年初めて出会って、何度聴いたかわからないこの曲は、いくら立ち止まっても次の日には必ず歩を進めさせてくれた。

 

泣くことを諦めて 前も見えなくなって

電話も出ないで 風の音だけ聞いてたこともあったわ

 

この部分は、今聴いても自然と涙が出てくる。昨年の冬、身体を壊すまで自分を追い詰めた末、友達にも会えなくなって、SNSからも距離を置いて、家族もなんか億劫で、けど誰かと話したくて、母方のおばあちゃんといるのが心地よくて、毎日のようにコーヒーを飲みに祖母の家に通っていた。そして、その度に「はやく元気になりたいんだけどさ〜、おじいちゃん、どうにかならないかな〜?」と泣きながら祖父の遺影に手を合わせ続けた。そのときのことを、どうしても思い出してしまうからだ。

サビの「もし生まれ変わって 違う私でも 永遠に銀河の風に吹かれて」という言葉は、どれだけ私に勇気と希望と元気を与えてくれただろう。YUKIに夢中になる人の気持ちが初めてわかった。この時期にJUDY AND MARYを好きになれたことは一生の宝物だ。本当に大好き!だから、今年はこのタイミングでどうしてもYUKIが見たくて、久々にフジロックに行くことに決めた。

今はやっと、素直にいろんなことにワクワクし始めている。
春はいろんな人に「もう大丈夫!」だなんて言っておきながら内心はまだかなり無理していたけれど、やっと6月の暮れになって、再構築メーターは90%くらいにきたかなという感じ。荷物の背負い方が全然違う。生きるのがどんどん楽になっていて、少しずつでいいから、もっと歩を進めてみたい。

そんな風になれたのは、今までの私と、2017年になりたい私というのが、しいたけ占いの上半期の助言のまんまだったのがすごく大きい。いやあ、世相だなあと思うほどに、しいたけ占いが元来の占いの概念を覆しながら支持されているのは、自分らしく生きるヒントをくれるからだ。世の中の女の子たちはみんな疲れているんだね~。

 

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 何度もこれを指針にして、占いが更新される毎週月曜日には「もっと頑張らなければならないのでは…」という強迫観念から「今週も楽しいことしまくってサボりま~くろ」という視点に戻せたのですごくよかった。基本、しいたけは毎週「今週もバカンスしまくろうぜ!お前今まで頑張りすぎてたからさ!」的なことしか言わなかったから。笑

おかげで上半期、おいしいものを食べて、飲んで、寝て、ゆっくりできた。おかげで3キロ太ったけど、びっくりするくらい後悔してない。今はその分ダイエット中。

 

 私が疲れてしまったたくさんの原因の中の一つに「人それぞれの考え方があるから、それは尊重されるべき」という、自分の他人に対する信条を大切にしすぎたことがある。しいたけの言う水瓶座の「人に対して徹底的に貢献しようとするあなた」というのも、こういうところが一つあるのだろうなー。

その結果、いろんな人との関わり合いの中で「この人のこういうところ、ちょっといやかも」と思ったときに「それを許してあげられない自分がダメ、そう思わせてる自分もダメ」という風にどうしても考えてしまって、そしてそれをため込むことは、つまり自分を責め続けることで…小さい頃から今までそれを続けて、遂にへなへなになってしまったのだった。それを「君は優しすぎる」と言ってくれる人もたくさんいたけれど、こんなに苦しいものが優しさなのかも、わからなくなった。

 でも、わたしはわたし。大切な人たちのすべてを受け入れなくていいのだ。
今も前述の信条は変わらないけど、「自分が今やりたくないことはやらない」「やりたいことだけをやる」をゆっくりやり続けた結果、やっと他人や自分のことを「受け止め、受け流す」ができるようになった。今は「自分だけが悪いことなんて絶対にこの世にない!」と思っているので、簡単に人のせいにもできる。それだけでこんなに楽になるなんて、嘘のようだ。みんなが当たり前にできることだけど、私は本当にできなかったんだから。でも、やっとスタートライン…なんてことはない。私はそれすら追い越して、進み続けていた。同じことでも、景色が全く違って見える。

 そして、客観的に自分を見れるようになって、何が原因でいろんなことを踏み切れないのかを見極められるようになったこともすごく大きい。というか、言葉にできない・したくないモヤモヤに対して、ガッツリ直視する勇気を持てるようになった。例えば、頼まれごとに対してウンと言えないときに、なんでなんだろうと考えるようになった。それはプライドだったり、見栄だったりするけれど、素直に向き合いたくないそれは、一番の私の心の声のはず。だから、一瞬冷静になることによって、「よしよし、じゃあプライドひっこめようか~」と素直に自分の中で駆け引きができることが多くなった。もし笑顔が引きつってたって、それができたら合格ラインだと思ってやっている。完璧にできない自分のことを、もう責めたりしない。次、うまくやればいい。みんなそんなに最初から期待してないから。

こういう冷静に客観視して足し算・引き算をする力は仕事をする上で一番活きた。急な変更に、慌てたりパニックになることが減り、「じゃあ現状に何が足されればこの場が落ち着くのか」を真っ先に考えられるようになり、かなりプラスになった。

 あとは、絶対に自分の価値を見誤らないこと。
今年の冬から3月頃にかけて、転職しようとして受けた面接に関して、全部最終面接まで進めたのも大きかった。体調面の不安がまだまだある頃で、結局すべて最終面接に行かず断ったが、すべて行きたかった会社だったので、かなり自信がついた。なにより、プライベートでいろんな人たちが、穴のあいたれんこんのような状態の私のことも、「頼ってくれて嬉しい」と言って、愛してくれたから。

私は人よりきっとバイタリティはある。元気になる過程を見続けてくれた人に「君の数ヶ月は人の4年分のスピード感に相当するね」と言われたことが、本当に嬉しかった。時間が進まなくて、苦しくて、毎日ギリギリで、できない自分を責めては泣き続けたけど、気がついたらここまできていた。1リットルはゆうに超えるくらい泣いた。

一生懸命頑張れるけど、頑張ってない自分にもちゃんと魅力があること、できないことはできないでいいこと、失敗は糧になること、だから次ちゃんとできればいいこと、毎日お弁当を作っている私は自分が思っている以上に偉いこと、すべてを正しく受け止めて、新しい環境を自分で作り出してみたい。ゆっくり、ゆっくり。私のペースで。

 

…なんて、なんだか強気な文章を書いてしまったけれど、全然毎日弱気で、悔しくて一人で泣いてばっかりだ!笑

でも、私が自分に対して一番誇れること、それは、どんなに辛いことがあっても時間がかかっても、必ず自分の言葉で自分が納得できる結論がみつけられること。どんなに苦しいときも、どうしても私はそれを覚えておきたかったから、2017年の一区切りとして言葉を残しておきたかった。だから、これを書いている今だけは、少しだけ強気でいさせて。

今までの人生で一番苦しいと言っていた昨年末、友達に「君の2016年は捨てちゃダメだよ」と言われた。捨てなくてよかった。ちゃんと2017年に繋がっていた。

タイコクラブに行ってきた

人生初、タイコクラブに行ってきた。

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キャンプを必要とするフェスに関しては、フジロックで経験済みだけど、こんなに快適なものかと驚いた。フジロック3日間は、物理的な部分でかなりしんどかったのは事実。タイコは以下の3点がかなりクリアだったのが良かった。

・ステージ間の距離がたいして苦痛じゃない。5分~10分以内。
・テントサイトからステージが近いので疲れたらすぐ帰れる
・テントサイトが芝生で平面。(フジはすごい傾斜)


フジロックの隣同士のステージ、グリーンからホワイトの地獄のような距離と天気、人の多さ、テントサイトまでの距離、もう憎さしかないので…。
でも今年helinoxのパチモンのチェアを買ったので、持ち運びしたら5年前のフジよりかはよっぽど楽しめるかも!

アウトドア偏差値70くらいのお友達と行ったので、食事がとても楽しかったです。友達が仕込んできたこの鳥さんの中にはピラフまで入っており、料理が信じられないレベルで美味しすぎてなかなかライブを見に行けなかった。

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しかし、寒い寒いとは聞いていたけど、夜は尋常じゃないほどの寒さに驚いた。
まーさすがに使わないっしょと思いながら多めに持って行った防寒具ですべて武装、なおクソ寒い!!という状況。あったかく快適に眠るにはいくらかければいいんでしょうか…。横綱にくっついて寝るくらいしか対応策が思いつかない。

ちなみに防寒具ラインナップはこれ。手持ちのユニクロ

ヒートテック
ヒートテック極暖(普通のと二枚重ねした)
ヒートテックタートルネックフリース
・ウルトラライトダウン長袖
・150デニールタイツ
・貼るカイロ

5月だけど、これでも余裕で寒かった。芝生には霜が降ってた。昼間は夏服なのに!!
夜中に作って食べたカップラーメンがおいしかったなあ。寝袋は封筒型だったので、寒さ対策にいつかマミー型がほしい。焚き火が暖かかった。

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しかし、これを機会にひも付きの帽子も、サコッシュも、速乾性の高いスカートも、パチモンヘリノも揃えたので、あとはゴアテックスがあれば完璧。カープファンだから野球観戦にも使えるように、赤のゴア買いたいんだー。
トレッキングシューズもあるし、軽い登山やハイキングならできるくらいには揃えられたので、夏フェスどんとこい!って感じ。
いつもフジとかタイコを遠巻きに見てたのは、物を持っていなかったからなので、今後とても気楽。

しかしモノ揃えるのって、たのしーねーーー。
かわいくないとバカにしては遠ざけていたモンベルがいかに安くて良いものかも、貧乏人故、気付いてしまった。速乾性のあるスカートを買った。(本当はむちゃくちゃノースフェイスで買いたいし次は買うもん)

ライブはみんなで見たlittle simzが良かった。友達二人が私の分のビール買って待っててくれて嬉しかった。

あとは真夜中のcero
ceroのライブはワンマンも含め何度も行っている。最近もういいか、とライブに飽き始めて足が遠ざかっていたけれど、目の覚めるような演奏に驚いた。ロケーションがいいだけじゃない、そう確信できるほど今までのライブとは少しずつアレンジも違うように思えたし、夜中の1時に体力の限界を感じていたとはいえ、ほとんど最後まで見た。

ロープウェーという新曲がある。

Everything's Gone To The Foggy Outside
やがて人生は次のコーナーに
人生が次のコーナーに差し掛かって

今日のceroは、この曲を聴きに来たんだった。

「人生が次のコーナーに差し掛かって」このフレーズを聴くたびに、心がすり減ってどうしようもない気持ちになる。他人の歩く速さなんてどうでもいいからゆっくり歩くと決めたはずなのに、私の人生の次のコーナーは一体どこにあるのだろうか、と。

だけど、今日この日に聴いたライブでは、「今こそ私の人生は次のコーナーに差し掛かってる」と思えたから不思議だった。ぽろぽろ泣きながらテントに帰った。

…最近は自分の世界が少しずつ広がっていくのがわかる。新しい趣味が増えた。自分から発信することが増えた。アウトプットが惜しみなくできるようになった。
そしてそのすべてに、自分で進んで得た人間関係があった。その中には、少し前の自分では遠慮して構築できなかったであろう人間関係も含まれる。

まっさらから関係を築くとき、自分が前よりもずっと素直だから、なんだか今までとちょっと違う。自分と自分の間で、駆け引きがなくなって、うまくやれるとかやれないとかは関係なくなってしまった。だってダメなときくらいあるっしょ。
何があっても自分だけのせいにしないこと、減点式ではなく加点式であること、それだけでこんなに世界が広がるのかと思う。

失敗とか、成功とか、そういうのが自分からどんどん遠くなっていく。
2017年も半分が終わろうとしている。物事の考え方が180度違って、去年の自分が別人みたいだ。毎日マジでつまんなくて本当に死にそう、でもそれもきっと余裕があるしるしのはず。  

さてさて、次の予定はハイキングだ!!

愛の休日/柴田聡子

初めて初期のライブ映像を見たとき、失礼を承知で言うと、爆弾みたいな人だなと思った。
理由は、歌っている姿が何か訴えようとして怒っているように見えたことと、歌詞に突拍子がなくて、何をしでかすかわからない危なっかしさを感じたからだった。さらに、その時彼女はキノコ頭で少し太っていたので、ころころとした見た目もそう思わせる一助を担っていた。
ももうそんな柴田聡子はどこにもいない。彼女は怒っていない。何より、すっかりあか抜けてしまった彼女は見違えるほどに美しい。

 

愛の休日

愛の休日

 

 

この記事について、本人の意図は知らないので、いつも以上に、あくまでも一ファンの感想として捉えてほしい。

1stアルバムの「しばたさとこ島」を聴いてから、私は話したこともないこの人のことを、きっと同志と受け取っていたのだろう。彼女には、曲とともに人間的な魅力を感じずにはいられなかった。

 

カープファンのあの子は可愛いね
ギター弾けないから ボーカルで相変わらず可愛いね
あの子に子供が産まれる前に わたしに子供が出来る前に
もっともっと酷いことを考えておかなくちゃ


彼女が最初にブレイクしたのはこの「カープファンの子」だが、努力しようが「世の中顔と愛嬌」をまざまざと見せつけられるような歌詞、最後の「もっともっと酷いことを考えておかなくちゃ」のパンチライン…この人、相当卑屈な人生を送ってきたんだろうなと思った。「この気持ちはコンプレックスにまみれた人間にしかわからない」と当時かなり卑屈だった私はモロに共感して、心の「わかる!」ボタンを押し続けていた。

実際この時の柴田聡子は、あんまり可愛いとは言えなかった。
というか、せっかく可愛い顔をしているのに、抜群にあか抜けていなかった。
キノコ頭で、丸眼鏡にシャツのボタンを一番上まで留めて、なんでもないズボンを履いてギターを一生懸命弾いていた。サブカルなイベントにいるリュック姿のちょっと冴えない子、というイメージだった。

カープファンの子」の他にも、「芝の青さ」の「次生まれるときは違う星でお願い」なんて歌詞もあるし、世の中の妬みや嫉みを巧みな言葉選びできる分、もちろんこの人にも何らかのコンプレックスがあるんだろうなと思うに容易い。

なのに、ジャケットには自分の顔をめちゃくちゃアップにして使う。他にもわざと変に写っている写真をアートワークに使っていて、あか抜けない自分が歌っているということを主張するようなパッケージングに思えて仕方なかった。つまり、あんまり可愛くない柴田聡子が歌うことで、曲の説得力が確実に増していた。普通、コンプレックスは隠すものだ。でもこの人は、それをわかって自信満々にやっているようにしか見えなかったから、かなり不思議だった。「柴田聡子は、絶対に柴田聡子でないとならない。」そういう意図ももちろん感じられたが、前述のように不可解に思えてならなかった。

これで、私にとって「何を考えているのかわからない変な人」の烙印が押されることとなった。

そんなイメージが変わり始めたのが、3rdアルバムの「柴田聡子」。
このとき初めてライブに行って思ったことが

「む、むっちゃ可愛いやんけ…」

だった。
痩せて髪も伸びて「ああこの人はもう、カープファンの子がどうこうなんて、言わなくていいな。」と思った。ジャケットと同じワンピース姿が可愛らしい。このアルバムのジャケットは、誰が見たって、とっても可愛い女性だ。とてもキノコ頭でシャツのボタンを一番上まで留めていた野暮ったい女の子と同一人物だと思えない。
ライブを見るのは初めてだったので、「カープファンの子」を聴けるのを楽しみにしていたけれど、別に今の柴田聡子では聴けなくてもいいなと思った。

嫌味のない歌声で淡々と歌い上げるところは変わってない。でも、新しいアルバムには腹の底から出てくるようなねっとりとした怒りは感じないし、圧倒的な清々しさがある。

アルバムの先行MVで「後悔」が公開されたとき、柴田聡子はもうどこにでもいけるんだなと思った。純粋さと素朴さが売りだったはずなのに、斬新なイントロとリズムに合わせて、都会の街中を車に乗って楽しそうに歌う姿はあまりに新鮮だった。そして、とても似合っていた。

 

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初期の彼女は、一人で戦っているような感じがしていたから、なおさら。月刊ウォンブ!のライブ映像なんかまさにそうだと思う。可愛いワンピースを着ているのに、今と全く印象が違うなあ。

 

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でも、彼女はもう一人では作れないような音楽を作っている。「後悔」はそういう象徴的な曲に思える。

新しいアルバムのジャケットの彼女は、びっくりするくらい綺麗だった。腹の底から出していた、「カープファンのあの子はかわいいね」という言葉は、どこへ行ったんだろう。柴田聡子を見ていると、純粋だけど鬱屈した人間が、自分のやりたいようにおもいきって舵を切ることで、いきいきと美しい女性になっていく過程を見ているような気持ちになる。

今や彼女は、純朴な田舎も都会も似合う貴重な女性だ。軽やかなステップで、いろんな人を巻き込んで、自由に楽しく羽ばたいてる彼女の姿は最高に清々しい。純粋な芯を持ちながら、彼女はもっともっと魅力的な女性になるだろう、これからも、きっと、ずっと!
その確信があるからずっと見ていたい。「大嫌い」が「大好き」に聞こえてくるような巧みな言葉の変化球も、もっともっと投げてほしい。

最初、あか抜けないだなんて言ってごめんね。
「卑屈でいたって何も始まらないよなあ」、最近の可能性いっぱいの嬉しい私の口癖が、今の彼女を見ているとうんと近くに感じる。
美しい女性って、こういうことだなと、「愛の休日」を聴きながら、めざましい彼女の活躍を見て思う。

 私は久しぶりに、ライブに行くことを決めたのであった。