師走

やっと完結したA子さんの恋人のことをちょっとずつ書いているんだけれど、書く意味があるんだろうかと思ってやめたり、書いたりを続けている。今回は、今年のまとめの日記。

今年はあってないような一年だった。プライベートでは、世の中がこんなふうになる前に決めた結婚式に関する選択をひたすら迫まれ、生きた心地がしない時間がとても多かったなあ。結局縮小を選んだけれど、それでもなお状況は変化し続けていて、今もとてもつらい。正しいことは私が決めるしかないと、胸を張れるのは少しの間だけで、気がついたらドロドロの沼の中にいる。

仕事に関しては、ギブアンドテイクの精神を持つことをやめて、この職場で人とは最低限にしか関わらないと決めた。これは残酷に見えて、変に他人との関係に責任を持ってしまう私にとってはかなりプラスだった。コロナ禍に乗じて入社してきた人が、三人とも恐ろしいほどに無責任で、規則を破りまくり、管理の隙をついてズルばかりする人たちだったのだ。なのに、それぞれが起こしたトラブルなどを、お人よしに見える私にみんなして相談してくる。バカにしてんのか。一生懸命教えても、書類提出の締め切り前日にずる休みする人がいたり、今までの人生で見たことのない社会人レベルの人たちをよくここまで集めたものだと思わざるを得なかった。すごい!もうTwitterでネタにできないレベルまできてる!

そんな中、ここ数週間で引っ越してきた隣人がネトゲ廃人で、毎夜うおー!とか、よっしゃー!とか、おいたわしやーwとかいう叫び声が聞こえ、夫婦ともに眠れない日々が続く。管理会社に出した苦情から察したのか、意外にも人のよさそうな見た目の隣人がお詫びに来てくれたのはよかったのだが、今もシンプルに声がでかいんじゃっ…!私もオタクなので、好きなものに熱中する気持ちのすべてを非難することはできないのだけれど、でかいんじゃっ…!

オタクの隣人にとって、ヘッドセットはこち亀の本田にとってのバイクと同じ感じなんだろうなと思う。こまった~。話がわかる感じの人だったから、直接言おうかと思うのだが、こんなに騒音トラブルが面倒臭いと思わなかった。大好きな家にいることがストレス…。ゲーム始まる前に寝なきゃという思考が悔しすぎる。

 

なんだんだ、みずがめ座は12月から最高ってたいていの占いに書いてあったのに、今月ずっとこんな調子だぞ!二人ともみずがめ座なのに、くやしーー!

昨年は、名村のイベントに夫がDJとして出演していたので、友達と歌って踊ってKOHHでガンガン〆て「良いお年を!!」と挨拶し、とても楽しかったのだけれど、今じゃそんな日々が考えられない。まさか一年でこんなことになってしまうなんて。

ぐちぐち書いてしまったけれど、今年大変な中で得られた大きなことは二つ。前述のとおり、仕事でギブアンドテイクが全く通用しなかったことで、以前よりも少しは抵抗なく人を切り捨てられるようになったこと。もう一つは、アウトプットへの焦りよりも、堂々と楽する方をとれるようになったこと。何かしなきゃと思っていても、昼寝することの方が好きだったりして、後者を選んだ時に自分を責めていたけれど、それがなくなった。だって私昼寝も好きだから仕方ないよなー!最高に気持ちいいもん。気が向いた時にやればいいか、という感じ。こんな風に、少しずつでいいから楽に生きたいな~。はやく気楽なババアになりたい。毎年同じこと言ってる。

 

近況は、最近国立国際美術館に、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展を見に行った。

ちょうど原田マハのジヴェルニーの食卓という印象派画家の絵画の背景や生い立ちを描いた小説を読んだところだったので、いつか見たいと思っていたエドガー・ドガの踊子の絵が自分の住む街で見れる機会に感激した!

 

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

  • 作者:原田 マハ
  • 発売日: 2015/06/25
  • メディア: 文庫
 

 印象派の絵は、緻密な絵が好まれていた当時は「落書きだ」となかなか受け入れられなかったという。私は印象派の絵は元々好きだったので、「そうか?」と思っていたけれど、この企画で印象派以前の絵画を一通り見てから印象派コーナーで絵を見ていると、「粗っ…!」というとても正直な印象を持ってしまったので、当時受け入れられなかった人たちの気持ちがよくわかった。一枚一枚の作品への感動以上に、100年以上先の未来を生きている私が、当時の人の心をリアルに感じられたのが、とてもよかったな。

それでもやっぱり、観終わった今でも一番印象に残っているのは、セザンヌの「プロヴァンスの丘」なのだけれど。

私みたいな超ライトにアートを楽しんでいる人間は、マハの本を読むだけで美術館に行く意味ができる。「楽園のカンヴァス」があまりに面白くて、わざわざ大原美術館ピカソの絵を見に行った。

そういえば、大学生の時、何度も何度も、中村一義の良さについて熱弁されたことがあった。「中村くんはたった一人で音楽やってて、オリコン1位取れなかったら死ぬつもりで金字塔をリリースして、ほんとに1位とったんだぞ」とか、なんとかよく言われたっけ。曲以上にその生い立ちや彼の持つ孤独や信念を説かれ、やっと聴いてみる気になったときのことをいつも思い出す。マハの本にはそんな風にアートの背景から興味を持つことのできる力があり、読む本に困ったら買うようにしている。公式のプロフィールめっちゃ面白い。

PROFILE | 原田マハ公式ウェブサイト

そして、原田マハは、これまた中村一義を薦めた人と同じ人に大学のときにすすめられて大好きだった作家・原田宗典の妹であるということも、なんだか運命的だ。

国立国際美術館は会社からも近いし、もう一度見に行きたいな。すみっこぐらしのコラボぬいが可愛すぎるので、もう一体くらい買いたい。映画版すみっコぐらしを見てドバドバ泣いてから、なんか可愛いと同時に可哀想というか、なんとも言えない気持ちに胸が締め付けられ、マスコットを買ってしまいがち。一緒にすみっコぐらしの映画を見ていた夫によると「こいつら圧倒的に弱者なんよな(号泣鼻ズビズビちーん)」とのこと。たしかに。てことは、私は偽善者なんだろうかとか、すみっコを手にすると考える。

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