青い春

試しにtwitterから距離を置いてみた。トレンドに疎くなるかなあと思ったけれど、そんなに不自由しなかった。音楽は新しいものよりTWICE中心に聴いていて、読みたい本はネットよりも新聞の書評で探すようになっていたし。新旧問わず気になったものを適当にかいつまむようにしていたら、今更映画の「青い春」を見ることとなり、激ハマりして豊田利晃青春三部作を見るなどしていた。松本大洋の原作コミックスも買い、時間のひずみがやばい。ここは2000年代初頭なのか。でもそれが楽だった。mid90sは観に行ったけど。

 

川端康成の禽獣が面白すぎて、何度か読み返している。鳥や動物を多頭飼いしている主人公の話だが、執着心の落差と切り離し方が残酷で、不気味。そしてその心理に自分の孤独が投影されているのがめちゃくちゃ面白い。この作品の読書会とかあれば行きたいな。

抒情歌/禽獣―他五篇 (岩波文庫 緑 81-2)

抒情歌/禽獣―他五篇 (岩波文庫 緑 81-2)

  • 作者:川端 康成
  • 発売日: 1952/06/25
  • メディア: 文庫
 

 

そして「青い春」。学生時代に通っておかなかったばっかりに、しばらくこの映画のことしか考えられなくなる。

青い春 [DVD]

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  • メディア: DVD
 

 

フジロック配信の影響で久々にミッシェルガンエレファントばかり聴いていたので、劇中歌がタイムリーすぎて最高!!この映画観てから「ブギー」聴くと涙腺が緩むようになったし(木村の大一番のシーン、大好き!!)、「ドロップ」を聴くと、青木のことを想って胸がぎゅっと苦しくなる。

 

ラストシーンでは、青木の花がそんな形で咲いてしまうのかと、彼の本編の中で一番優しい声を聴くたびに、悲しくてウッと一瞬呼吸が止まってしまう。そして、体の隅々まで平等に酸素が行き渡るように息を吸って、ゆっくり吐く。青木の孤独が、自分の中にストンと落とし込まれるのを確認する。青木や過去の自分に、少しでも誠実でありたいのかもしれない。

 

私は、大人になることは「1か0以外の答えを出せるようになること」だと思っている。大人になる前は、大事な何かを諦めるためには他の「正当な」理由が必要だと思っていたし、それがずっと苦しかった。自分の場合は、26歳くらいまで1か0、もしくは黒か白に例えるならば、グレーの答えを出すことができなかった。グレーな答えとは、やる気がないとか、面倒くさいとか、今じゃないとか、そういうことだ。

 

青い春が描く世界は、学生時代特有の、1か0しかない極端な世界だと思う。その窮屈さに痛いほど身に覚えがあったし、だからこそラストの青木のことを思うと悲しくて言葉が出ない。そうじゃなくていいのに、と。亡くなったテラハの花ちゃんに対しても、同じようなことを思う。

 

と、まあストーリーに関して冷静に語りたい気持ちがある一方、めちゃくちゃミーハー視点で俳優陣に大ッッッ興奮していたので、あーもーめちゃくちゃかっこいいヤバい死にそう!!!!!えーどうしよピエーン!!!!!という、オタク久々の沸点超えで心の叫びが止まらない状態に。ひたすら二次創作を検索するくらい興奮した。まじ、オタク殺しの作品じゃん…。

 

何度も見返しているけれど、初見はとにかく九條九條九條!!10代の松田龍平やばすぎる、こんなに雰囲気があって美しい人間見たことがない、きれいな白い鳥みたい…(イケメン見たときのいつものたとえ方です)と、青い春観終わった瞬間ぴえんの顔しながら若いころの松田龍平の画像検索をして漁りまくる。

 

漫画にありがちな「何にも考えてなさそうな(綺麗な顔の)学生」の再現度高すぎやしないか!!!速攻でU-NEXTに入会して、松田龍平のデビュー作であり主演映画となった大島渚の「御法度」も観た。ああ美しい…。

御法度 [DVD]

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  • 発売日: 2000/05/21
  • メディア: DVD
 

 

平たく言うと新選組に超美男子(松田龍平)が入ってきて周りの人間がみんな松田龍平のこと好きになっちゃって大変なことになるBLだったんだけど、自分の10代の松田龍平への一時的な入れ込み方が異常だったのでそのストーリーもかなりしっくりきた。くう〜これで映画デビューだなんて想像しただけで鳥肌立つ!!そして演技はともかくトミーズ雅の配役がとても良い。

 

二度目は、周りの友人達、特にユキオと木村に心を奪われる。あの、こんなにも出演俳優のことがだいっっっっっっっ好きになってしまう映画、今まであったっけ…。ユキオ役の高岡蒼佑と、木村役の大柴裕介がサイッコーすぎる…。でてる映画もっと見たい…。最近のこの記事の写真もカッッッコよくて何度も読んでるわ。激渋〜かっこい〜語彙力〜。

oceans.tokyo.jp

 

まあでも20年前の映画なので、役者に関しては離婚や事件などプライベートな部分の方が自分にとって印象が強かった。大人になる前を描いた映画だけに、現在の役者の現実が、この映画を見た後の切なさに拍車をかけている気がする。

 

新井浩文のオタクの友達が、二年前に京都みなみ会館でやっていた豊田利晃青春三部作上映会において新井さんが豊田監督に寄せた青い春のコメントをLINEで送ってくれたけれど、とても、とても胸が熱くなる内容だった。ああ、役者としての活躍をもっと見たかったな。

 

マメ山田先生も大好きなので手品が見たいなー。ナイン・ソウルズの役も好きだった。

そして和山やま先生のこのイラストがだいっすきで、久々にpixiv開きました。

 

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その他、居住空間を良くするのにハマっていて、春から植物も3つ買った。めっちゃかわいい。

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引っ越しから一年半かけて少しずつ棚を買い、やっと絵でも飾れる感じになってきた。さかざきちはるの絵が買いたいんだけれど、昔のしか売ってない…。今年のペンギン百態の鳥のやつが可愛すぎて、どうしてもこれが欲しい。コールダックちゃんとの絵とか、複製原画で売ったりしてくれないかなあ。

www.fashion-press.net

 

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twitterから距離をとっているのは、もうここ数か月、誰も自分に危害を加えていないのに、ずっと自分の中で自己を守るための戦いが繰り広げられている感じがしてしんどかったからだ。例えば私は「香水」もいい曲だと思うんだけど、なんかネット上で馬鹿にされていると疲れる。

これは省エネで生きるいい機会だと思い、情報源を一部断つことで、否が応でも変わらなくちゃいけないなと思っていた部分にもなあなあにせず向き合ってみることにした。でも最近、なーんか方法が間違ってる気がするんだよな〜。定めたゴールに狂いなし、ただプロセスに誤りあり!というかんじ!に気付いたのがここ2日くらい。うーん、どうしたもんかね〜。