2018.5.27 ミツメ サウナの梅湯3周年記念『煙突』@サウナの梅湯

久しぶりにミツメのライブに行った。
昔、ミツメの1stが出てしばらくの2012年頃は、ミツメが大好きで関西のライブがあれば毎回飛んで行った。曲がサイケ寄りになってからあまりライブに行かなくなって、今回は久しぶりに足を運んだ。

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わざわざ記事を書くほど、2017年の新譜ではエスパーがダントツに良かった。

エスパー/ミツメ - さかさまの傘

さらに3月に行った東京旅行で高円寺の古着屋で服を漁っている時に「なんかスピッツみたいな曲流れてるな」とshazamしたらミツメで、今なら最近のミツメにハマれると思い、それ以来は少しずつ遡るように聴いていた。

ミツメを最初に知ったきっかけは2011年の年末、OZという知り合いが主催するパーティにモスクワクラブが出演していて、メンバーのまおさんが「ミツメってバンド始めたので聴いてください」とCDを配っていたときのこと。私はその時CDを買わなかったけれど、その後、当時JET SETで日本のインディーバンドを担当していた田中亮太さんが始めた「フレデリック」というライブイベントが普段から懇意にしているライブハウスnanoで開催されることとなり、スタッフに誘っていただいた。第一回にミツメが出演していて、「クラゲ」のあまりの良さに感動したのを覚えている。当時はまだ無名で、ミツメ目当てのお客さんも片手で収まるほどだったので、その後フジロックに出演したり、どんどん大きくなってびっくりした。本人と面識がある訳でもないのだが、そういう経緯があって、私は京都で見るミツメに少し思い入れがある。

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サウナの梅湯で最近ライブイベントがよく行われているのは知っていたけれど、まさかミツメがくるなんて!今のミツメを銭湯の天然リバーブでどうしても聴いてみたい!!というわけで、何年振りかのミツメのライブを観に行くことに決めた。チケットはすぐに売り切れたようで、たまたま告知ツイートをすぐにみつけて応募できたのはラッキーだった。

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ライブはこんな感じで行われており。ドラムはすっぽり浴槽に入りきっていたので、かなり不思議な画になっていた。

久々のミツメのメンバーにドキドキしたのは勿論だけど、ライブハウスで聴くよりもずっと近い距離で、ダイレクトにアンプの音が聴こえる感じがして、私はやっぱりバンドサウンドが好きだなとか、エレキギターの音ってマジ最高だよなとか、そういう根本的なところで目頭が熱くなり…。そもそも私は随分と久々にライブに来たんだなと思った。

私だけかもしれないけど、ライブ中って音楽よりもそれに付随する考え事をしてしまうことが多くて、お金払ってるのに集中できないのが勿体なくて滅多にライブに行かないんだよなあ。2年ほど前のGrimesの来日公演以来、特に行かなくなってしまった。というのはまあ置いといて…

セットリストはこちら(雑!

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最近の曲なら「霧の中」が天然リバーブで聴きたかったので、早々に聴けてよかった。

最近の曲を頑張って予習してたので、古い曲をやってくれるとは思わず、クラゲ→タイムマシン→サマースノウがとても嬉しかった。

まおさんのギターが緑のムスタングってとこも今回感動したポイントだったんだけど、エスパーやdiscoのアウトロのギターソロで、CDとは対照的にギャンギャン音を鳴らしていたのが超かっこよくて印象的だった。ライブはこうでなくっちゃ、アレンジきいてると得した気分になる。

しかし本当、エスパーは名曲だなあ。結婚や次の段階に進み切れない倦怠期の恋人同士の時間を

止まらない砂を かき集めるような 季節をいくつも通り過ぎて

という砂時計を模した歌詞に落とし込んだ歌詞が秀逸すぎるのだけど、この歌詞を聴くと、くるりの「THANK YOU MY GIRL」の大好きなフレーズを思い出す。

いつだって暦の上 春が来ない 諦めて忘れた

片想いのまま過ぎる時間をこんなに美しく切なく例えて表現する岸田繁はすごいなと、何度聴いても思う。過ぎ行く時間というカテゴリで、どうしてもエスパーを聴くとこの曲を思い出してしまう。

あとは、何故かシングルの「エスパー/青い月」A面、B面の並びって、よしもとばななの「キッチン/ムーンライトシャドウ」が思い浮かぶんだよなあ。タイトルのカタカナとか月の感じとか、そういう無意味な部分なんだけど。

キッチン (新潮文庫)

キッチン (新潮文庫)

 

好きな曲がたくさん聴けてよかった。終演後に撮った写真がだいぶ不思議な感じ。

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梅湯はとても良い場所だったので、またライブだけでなく本来の趣旨通り銭湯としても使いたいな。

ミツメのたくさんの曲に、結構な数の錆と垢がついていて、ずっと泣きそうな顔で観ていた。そうやって自分が音楽を好きな理由を実感するライブだった訳だけど、タイムマシンの「過去の気持ちを今僕に伝えてよ」って、たまんねーな!社会人になりたてのあの日あの時よく聴いていた曲を今どんなに聴いても完全には蘇らない記憶と高揚感、時が経ったんだなと実感する歌詞が初めてひっかかった。