なんなんだこの世界

ついに、在宅勤務なんか不可能だろうという業務を行っている私ですら、前日の昼頃、急に在宅勤務を指示された。家の前ではあんなにきれいに桜が咲いているのに、外に出たらバイオハザードだなんて訳が分からない。ナウシカの漫画版みたいな世界はいつかくると思っていたけれど、それに近い世界に思っていたよりもはやくなってしまったなあ。

 

 

私は来月予定していた自分の結婚式を延期した。この結論に至るまで、どれほど苦悩したか言葉にできない。「だめかもしれない」と思い始めてからは、ずっと世間に試されている気がして、完全にノイローゼ気味になっていた。

 

先月、まだ世の中がここまでの状況になる前、うちの会社ではまだギリギリ飲み会が行われていたのだが、ある日、同僚に「明日の飲み会に行くのが怖い。〇〇さんはどう思いますか?」と聞かれた。私はどうしても、このウイルスが怖いと言いたくなくて、「大好きな上司の最後だし、私は行こうかな」と返事した。「ん~…そっか!」と、不服そうに同僚はその場を去っていった。

 

「私も怖い」と同調することが、その時の私にはどうしてもできなかった。でも怖いと言ってしまったら、あんなに苦労して準備した結婚式を、やれないって自分で認めてしまうことになる。もう再来月の状況は想像できるし、できないなんて、薄々わかってるのに…。

 

だから同僚に「私も怖いから、やめとこうかな」って言ってあげれなかった。同意がほしくて私に相談したのわかってるくせに、私は私のエゴを通してしまった。上司の送別会が諦められなかったんじゃない。結婚式を、諦めたくなかったから。もう自分の気持ちをどうしていいかわからない、同僚に悪いことをしてしまった、と、たいしたことでもないはずなのに、ぼろぼろ涙が出てきて、別の同僚の胸を借りるようなこともあった。会社がまだ飲み会してようが、主役の私達こそ、ゲストに迷惑をかけないよう、誰より外出を控えなければならないのに…。1か0の答えを出すには、いろんな気持ちがこんがらがってうまく歩けない。本当に馬鹿だ。

 

悔しいとか悲しいよりも、もっともっと複雑な気持ちで、苦しかった。「延期して、ゲストが安心して来れる頃にやろう」と二人で決めてから、式場と直接話し合うまでの数日間も、胃に穴が開くんじゃないかと思った。はやく伝えないとみんなが不安になる…とわかっていつつも、プランナーと相談するまでに不確定な回答をするのも避けたかった。一部の遠方のゲストだけ先に伝えたけれど、LINEを一通送るたびに私は大泣きしていたので、夫を相当困らせた。夫だって、結婚式の準備のために諦めてきたことがいっぱいあったろうに…。泣

 

もちろん、大切なゲストのことを一番に考えてこの決断をしたけれど、それでもやっぱり、「仕方ない」では処理できないたくさんの気持ちがある。結婚式をしたことのある人ならわかってもらえると思うけれど、準備は大変なんてレベルではなかった。楽しいこともたくさんあってけれど、それ以上に想像を絶する気苦労の多さに、メンタルがしなしなになった。

 

つまり、どうしようもないこと、仕方のないことなんか痛いほどわかっているのだけれど、そうとはわかっていてもすぐには飲み込めないほど、いろんな想いと語りきれないような苦労があったのだ。

 

きっと来年になるだろうけれど、本当にそのころ世間が落ち着いているかもわからない。経済も破綻しているかも。あんなに楽しみにしていたのに、今ではとてもじゃないけれど、まだ延期後の式のことなんか微塵も考えられないのが本音だ。

 

でも、それでも心配して話を聞いてくれたり、zoom飲みをしようと声をかけてくれたり、果てはケーキまで送ってくれる友達までいて、そのあたたかさに胸がいっぱいになる。気落ちしてられないな、と思う。延期の連絡をしたとき、「私には到底思いつかない」と思うようなあたたかい言葉をみんなが送ってくれた。準備の辛さがピークのときは「誰も自分たちの結婚式なんか興味ないだろう」とネガティブになることもあったけれど、それが杞憂だったと気付いた。本当に本当に、いい友達を持ったと思う。なおさら、ちゃんとみんなに結婚の報告ができる機会が持てますようにと、祈るばかりだ。

 

あと、自分が少し前を向けたきっかけに、同じように今回の影響で困っている畜産農家支援購入をしたことがある。グズグズしまくった末「自分たちだけじゃないよな」という思考になったタイミングで、twitterで流れてきた農家のお肉を買った。そうすると、すーっと胸が楽になった。負の感情は、負しか呼ばないことを、ここで痛感する。影響は違えど、今同じように苦しんでいる人を助けたいという前向きな選択が、驚くほど心に爽やかな風を吹かせてくれた。

 

せっかくお買い得な価格で高級肉が買える機会でもあったので、実家と義実家にも1セットずつ、いつもの感謝の気持ちを込めて贈った。親には甘えてばかりで、あまりこういうこともしないので、喜んでくれたのがとても嬉しかった。

 

結婚してから私も夫もお小遣い制になり、支援できる額にも限界はあるけれど、少しずつ大好きな場所や文化のことも支援したい。とりあえず、まずはライブハウスnanoでグッズを購入した。ここがなかったら、今の私はない。京都でもいっとう大切で、絶対に助けたい場所だ。そしてこの機会に、私もさっさと電子マネーの手続きをして、各所にお金を落としやすくしなくっちゃ。

 

途中、どす黒い気持ちばっかりで、読んでてしんどい人がいたら、ごめんなさい。でもこの悔しい気持ち、いつか忘れても、ちゃんと残しておきたくて。だって、しんどかった、辛かったって、つまり、めちゃくちゃ頑張ってたってことだから…泣

 

どうかどうか、みんなが健康でいられますように。外にも出れず、日々息苦しいですが、なんとか乗り切れるよう、祈っています。

 

とりあえず、ホットプレート買った!焼肉すっぞ!