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【感想】春と盆暗

とにかく装丁が最高すぎて目を引く。
自分の部屋に漫画を飾れるスペースがあるなら飾りたい!
ここ最近の漫画の中で、ダントツでジャケ買いする人が多いのでは。

 

春と盆暗 (アフタヌーンKC)

春と盆暗 (アフタヌーンKC)

 

 

この漫画の帯は、「どうして君みたいなエイリアンを好きになってしまったんだろう」
でも、実際はエイリアンとの恋愛漫画ではなく、エイリアンのように何を考えているのかさっぱりわからない女の子達と、冴えない盆暗主人公との恋愛短編集。


例えば、イライラすると頭の中の宇宙で標識をぶん投げて、惑星に刺してその場をやり過ごす女の子。美味しいお菓子を再現(逆再生)して作りたい女の子などなど。


どの女の子もとびきり変!一筋縄ではいかない子ばっかり!
…と思っていたけれど、一周目と二周目では印象が全然違った。


特に、一話目の「月面と眼窩」について、私は一周目はエイリアン、二周目は普通の女の子の変わった秘密のストーリーに思えた。


一見普通、でも他人が頭の中では何を考えているかなんてわからない。
彼女たちの不思議について、一番自分に近いものを上げるのなら、前回のブログのバーチャル杉本さんに近いのかもしれない。私は何かにつけて脳内に住む杉本さんに意見を乞うていたが、わざわざこのことを話したこのある人は一人くらいしかいない。

頭の中で、標識をぶん投げて月に突き刺すとは、こういったことなのではないか。
特別変な女の子だと思っていたけれど、頭の中の秘密を知らなければ、その辺にいるフツーの女の子。

「月面と眼窩」は、そういう「変」なところにわざわざスポットライトを当てたラブストーリーだと感じる。この作者変わってるなあ。好きになる盆暗男子たちも。


そして、なんだか私は大好きなスピッツのいろんな曲を思い出してしまった。
「春と盆暗」の中で、彼らが惹かれる女の子達の可愛さは、一般的なモテ評価となる気が利く・家庭的といった「女子力」からは程遠い。
彼女たちの変わったところは恋のきっかけとなり、気になって仕方がないし、ツボをギューッと押してくる。

自分もこんな風にとびきり変なところを愛されたら、どんなに安心感があるだろう。そしたら、自分以外の代わりなんて一生きかないのになあ。なんて。

草野マサムネの歌詞ににじみ出る独占欲は、みんなが誰かをかわいいと思う魅力からは少し逸れているところにある気がして、そこが本当に愛おしい。

「この街で俺以外 君のかわいさを知らない(大宮サンセット)」
「君はブチこそ魅力 小町を凌ぐ(ブチ)」
「憎たらしい笑顔 よくわからぬ手振り 君と生きていくことを決めた(ナナへの気持ち)」

こんな歌が頭の中で流れていた。



ここからは「月面と眼窩」ネタバレ。

 

 

 
 
 
 
 
 


「カルシウムをとります」という言葉に対して、サヤマさんの最後のいちご牛乳、かわいすぎる!!
カルシウムをつけるというゴトウくんの言葉を聞いて差し入れたのだろう。
カルシウムなんだから、差し入れは牛乳でいいんだけど、牛乳だとストレートすぎるから、いちご牛乳で少しぼやかしたのかなと思うと、かわいくてかわいくて仕方ない。この精いっぱいでツンデレな感じにキュンとする、なんて秀逸なの…!最後のこのシーンで、この漫画が大好きになった。

「春と盆暗」は、商業誌というよりコミティアっぽいなあという印象があって、苦手な人は苦手な作品だと思う。けど、行間を読む楽しさを感じられる人はきっと、一読したときよりも二回目の方がうんと、自分の身近な感情だと感じられるのではないだろうか。