2018.5.27 ミツメ サウナの梅湯3周年記念『煙突』@サウナの梅湯

久しぶりにミツメのライブに行った。
昔、ミツメの1stが出てしばらくの2012年頃は、ミツメが大好きで関西のライブがあれば毎回飛んで行った。曲がサイケ寄りになってからあまりライブに行かなくなって、今回は久しぶりに足を運んだ。

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わざわざ記事を書くほど、2017年の新譜ではエスパーがダントツに良かった。

エスパー/ミツメ - さかさまの傘

さらに3月に行った東京旅行で高円寺の古着屋で服を漁っている時に「なんかスピッツみたいな曲流れてるな」とshazamしたらミツメで、今なら最近のミツメにハマれると思い、それ以来は少しずつ遡るように聴いていた。

ミツメを最初に知ったきっかけは2011年の年末、OZという知り合いが主催するパーティにモスクワクラブが出演していて、メンバーのまおさんが「ミツメってバンド始めたので聴いてください」とCDを配っていたときのこと。私はその時CDを買わなかったけれど、その後、当時JET SETで日本のインディーバンドを担当していた田中亮太さんが始めた「フレデリック」というライブイベントが普段から懇意にしているライブハウスnanoで開催されることとなり、スタッフに誘っていただいた。第一回にミツメが出演していて、「クラゲ」のあまりの良さに感動したのを覚えている。当時はまだ無名で、ミツメ目当てのお客さんも片手で収まるほどだったので、その後フジロックに出演したり、どんどん大きくなってびっくりした。本人と面識がある訳でもないのだが、そういう経緯があって、私は京都で見るミツメに少し思い入れがある。

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サウナの梅湯で最近ライブイベントがよく行われているのは知っていたけれど、まさかミツメがくるなんて!今のミツメを銭湯の天然リバーブでどうしても聴いてみたい!!というわけで、何年振りかのミツメのライブを観に行くことに決めた。チケットはすぐに売り切れたようで、たまたま告知ツイートをすぐにみつけて応募できたのはラッキーだった。

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ライブはこんな感じで行われており。ドラムはすっぽり浴槽に入りきっていたので、かなり不思議な画になっていた。

久々のミツメのメンバーにドキドキしたのは勿論だけど、ライブハウスで聴くよりもずっと近い距離で、ダイレクトにアンプの音が聴こえる感じがして、私はやっぱりバンドサウンドが好きだなとか、エレキギターの音ってマジ最高だよなとか、そういう根本的なところで目頭が熱くなり…。そもそも私は随分と久々にライブに来たんだなと思った。

私だけかもしれないけど、ライブ中って音楽よりもそれに付随する考え事をしてしまうことが多くて、お金払ってるのに集中できないのが勿体なくて滅多にライブに行かないんだよなあ。2年ほど前のGrimesの来日公演以来、特に行かなくなってしまった。というのはまあ置いといて…

セットリストはこちら(雑!

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最近の曲なら「霧の中」が天然リバーブで聴きたかったので、早々に聴けてよかった。

最近の曲を頑張って予習してたので、古い曲をやってくれるとは思わず、クラゲ→タイムマシン→サマースノウがとても嬉しかった。

まおさんのギターが緑のムスタングってとこも今回感動したポイントだったんだけど、エスパーやdiscoのアウトロのギターソロで、CDとは対照的にギャンギャン音を鳴らしていたのが超かっこよくて印象的だった。ライブはこうでなくっちゃ、アレンジきいてると得した気分になる。

しかし本当、エスパーは名曲だなあ。結婚や次の段階に進み切れない倦怠期の恋人同士の時間を

止まらない砂を かき集めるような 季節をいくつも通り過ぎて

という砂時計を模した歌詞に落とし込んだ歌詞が秀逸すぎるのだけど、この歌詞を聴くと、くるりの「THANK YOU MY GIRL」の大好きなフレーズを思い出す。

いつだって暦の上 春が来ない 諦めて忘れた

片想いのまま過ぎる時間をこんなに美しく切なく例えて表現する岸田繁はすごいなと、何度聴いても思う。過ぎ行く時間というカテゴリで、どうしてもエスパーを聴くとこの曲を思い出してしまう。

あとは、何故かシングルの「エスパー/青い月」A面、B面の並びって、よしもとばななの「キッチン/ムーンライトシャドウ」が思い浮かぶんだよなあ。タイトルのカタカナとか月の感じとか、そういう無意味な部分なんだけど。

キッチン (新潮文庫)

キッチン (新潮文庫)

 

好きな曲がたくさん聴けてよかった。終演後に撮った写真がだいぶ不思議な感じ。

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梅湯はとても良い場所だったので、またライブだけでなく本来の趣旨通り銭湯としても使いたいな。

ミツメのたくさんの曲に、結構な数の錆と垢がついていて、ずっと泣きそうな顔で観ていた。そうやって自分が音楽を好きな理由を実感するライブだった訳だけど、タイムマシンの「過去の気持ちを今僕に伝えてよ」って、たまんねーな!社会人になりたてのあの日あの時よく聴いていた曲を今どんなに聴いても完全には蘇らない記憶と高揚感、時が経ったんだなと実感する歌詞が初めてひっかかった。

東京日記(2017.3.9〜12)

二泊三日で、久しぶりに一人で東京に行った。


新幹線に乗って遠出するときは、ライブやイベントに合わせて行くことが多いのだけれど、今回は、いろんな人に会うためだけに足を運んだ。

そもそも私は東京に仲の良い友達がとても多いのだ。
おみやげの他、ビールとおつまみを買って電車に乗った。誰かに会いに行くなんていう大阪や神戸にでも行くようなラフな理由で旅を決めて、健康な体でビールを飲みながら新幹線に乗れること、こんなに幸福なことはないと心底思う。私には、それができないこともあったから。過ぎ行く窓の景色を見ながら「私、ここまで来たんだなあ、本当に偉いなあ」と何度も心の中でつぶやいて、嬉しくて嬉しくて、少しだけ熱のこもった涙が出た。

会いたい人はもっとたくさんいたから、全員だったら一週間は東京にいなきゃいけなかったかも。会えなかった人たち、お誘いできなかった人たち、ごめんなさい。また行くね!

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一日目は、昨年出産した大好きな友達とかわいい息子くんに会いに行ってから、国際展示場近くのちょっと雰囲気のあるホテルに泊まってホテル女子会。スーパーで大量に買い込んで、3時くらいまで爆飲み爆食いをして話しつくした。(そのせいでまた逆流性食道炎になった泣)

退職後に仲良くなった友人だけれど、最近あまりに連絡をとっているから、直接会ってしこたま話がしたかった。二人で遊ぶのもほぼ初めてなのに、こんなに喋れることにびっくりしたし、愛が溢れてこぼれそうだ!!

そういえば、Twitterでたまに見かける高円寺の「新カステラ」を買っていったんだけど、ふるふるのスフレ状で、超おいしかった…。また食べたい!

www.gnavi.co.jp

古着のワンピース着るだけごっこも捗った。今やっと、何着てもぼちぼちサマになる!うれしい!

二日目は、一緒にルミネに買い物に行って、東京でしか買えないブランドの服を買った。他にもto/oneというアイシャドーがとっても可愛くて、使いづらい色なんだけど、黄色買った!発色の良いカラーメイクしたーい。

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その後は『A子さんの恋人』のA太郎が住んでいる谷中を散策。つまるところ聖地巡礼というわけで、スカイ、愛玉子を横切り、カヤバ珈琲に連れて行ってもらった。

 

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このタマゴサンドは食べた方がいいと言われた。おいしかった。

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店の前のディスプレイがやばかった。ここも行ってみたい!

寄るつもりだった銭湯が閉まる時間よりもずっと遅くまで喋り込んで、初めて日暮里のホステルに泊まった。狭くて秘密基地みたいで、楽しい!

三日目。
チェックアウトしてから夕焼けだんだんを下って、谷中銀座で開店と同時にメンチを食べた。

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『A子さんの恋人』4巻のあいこの夕焼けだんだんのシーン、既刊の中でいっちばん好きだ!新幹線で読みながらも半分泣きながらやりすごした場所を実際に見れて感無量。

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そういえば、「そんな簡単なことじゃないでしょ!!」とあいこが怒鳴るシーン、前のコマのA子との会話と繋がってなくて、どういうこと?とずっと思っていたけれど、あれはあいこが怒ってるからなんだなあ。新幹線で読みながら、やっと気付いた。文句の多い人に対して、「いやでもね、それはこういう理由があるからね」という細かい返答じゃなくて、積もり積もったものが爆発するときの「うるせー!!お前毎回うだうだ言ってんじゃねーよ!!」ってことか。普段の会話ならわかるのに、行間を読みすぎて、漫画にするとわかんなくなっちゃうことってあるんだなー。

谷中から千駄ヶ谷に移動して『いつかティファニーで朝食を』1話のグッドモーニングカフェでブランチを食べた。

 

いつかティファニーで朝食を 1巻 (バンチコミックス)

いつかティファニーで朝食を 1巻 (バンチコミックス)

 

 このサラダ、オカズか!?と思うくらい、しっかり野菜ごとに別の味付けがしてあって、最高においしかった。関西にもほしい。

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その後は会うたび「東京港区ボーイ…」と頭に浮かぶおしゃれな先輩に表参道のブルーボトルコーヒーに連れて行ってもらった。表参道って行くたび気疲れしてしまうんだけど、今日はそんなことなかった。やっぱおしゃれするって、可愛くなるって、最高だ!

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帰りは停電で新幹線が止まっているというアクシデント。もう帰れない!!と思ったけれど、なんとか乗り切って帰った。非常事態で焦ってたけど、ダンジョン攻略!って感じで、なんか楽しかったな。ちょっとお茶するのに、東京駅構内の店は座れないけど、大丸の喫茶店はまだ混雑がマシ、メモメモ。東京にいるのに、イノダコーヒナポリタン食べてるのが不思議だった。ここは三条かよ。

何をとっても、ほんっとうに楽しかった。今回の東京旅行、完全に隙なし!!
絶対にまた遊びに来よう。年内に、またもう一度行けたらいいな。

会ってくれた人たち、ほんとにありがと。

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今回東京に行って「なーんだ!東京ってまじで全然たいしたことないじゃん!」って思ったのが、気持ちの良い収穫だった。何度も来る予定があった頃は、人が多くていやだなとか、怖いなとか、首都だからって偉そうにしやがって、くらい思っていた。
でも、たぶん今回、今まででいっちばん「東京」を楽しみつくした感じがして、でもでもそのほとんどって、東京じゃない場所でも余裕で叶うな、って思ったから。
例えばカヤバ珈琲だって、スマート珈琲の方が全然格上じゃんって思っちゃったし。笑

東京は私にとってブラックホールみたいな場所だ。次々と大切な人を吸い込んでいく。そしてまた一人、とびきり仲の良い友達が、この春東京に引っ越す。「よかったね」と嬉しい気持ちももちろんありつつ、心の奥底ではとても寂しい。まさに文字通り、苦楽を共にした友達だ。なんだって相談できて、京都にいるからいつでも会えて、愛想笑いをしなくてよくて、いろんなことを一緒に感動できて、大好きな友達だから、寂しい。

そうやって自分の好きな人たちを何人も飲み込んで行くこの場所が、憎くてたまらなかったことも、少し前はたくさんあった。

でも、全然たいしたことなかったんだ。別に、滋賀だって、京都だって、同じだって思いたい。「東京とそれ以外の場所」で日本ができているんだなと痛感するも、結局、何かがあることも、何もないことも、別の場所でも変わらないと思う。

わざわざ休みをとって、一人で東京に行って、本当によかった。

私はずっと、東京にいない自分のことを後ろめたく思ってたんだと、やっと気付いた。

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その他、最近のこと。

錦市場の日本酒イベントに行ったり、映画シェイプ・オブ・ウォーターを見たり(青色が好きだなー)、10年ぶりに海遊館に足を運んだり、IKEAで買い物しまくったり。どれもとても楽しかった。海遊館はクラゲ展が始まるからクラゲ見たかったんだけど、ダントツでペンギンが超かわいい。エリアごとにペンギン置いてくれー!

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シェイプ・オブ・ウォーター観た後だったから、水族館が余計に神秘的に見えた。ついガラスに手を添えたくなる!その後、何食べようかという話で「なんか魚食べたいよね」で一致し、浜焼きを食べに行った。正直、私はでっかいカニのコーナーあたりから、カニ刺しとか食べたいなと思ってた。

暖かくなりはじめて、行きたいところも楽しみたいことも山ほど増えていく。最近いろんな転機が重なるので、しいたけ占いを見たら、今変わっていっていることも、今の自分の悩みも、今後の方向性も言い当てられていて、さすがだなーと思う。昨年以上に、自分の気持ちに素直に人と関わりたい。

voguegirl.jp


もうすぐ四月がくる。
仕事も恋愛も苦しいんだと、毎週のように相談を受けていた仲の良いアラサーの友達数人から一斉にいい報告を受けた。結婚、新しい恋、転職、引っ越し…驚くほど明るくてまっさらのトピックに包まれていて、時間は進んでいくんだなと思う。

でも私だって同じだ。今、新しいことがたくさん待ってる。歩き続けてよかったな。

心から、毎日が楽しい。いろんなところに出かけたい。写真を撮っては見返している。もっともっと楽しくなる気がするし、この春は、お花見がたくさんしたい。でも、まずは体調治さないとな。

日記(2018.2.27)

最近のこと。
いつもとはなんか違う、大きいことが、たくさんあった。

まず、髪を茶色に染めた。

ここ数年、黒髪ボブがトレードマークみたいになってた私にとって、これは本当にすごいこと。何度も染めたことはあるけど、決断にはめっちゃ時間かかった!痛むの嫌だし、黒髪ボブでいるとヘアアレンジができなくてもそれなりにおしゃれしているように見える気がしてたし…。

でも最近、もっと垢抜けたくなったから、おもいきってみた。
痩せたことがきっかけで、細身の服を着るようになって、明らかに見た目が変わっていくのが嬉しい。日々仕事が終わってからyoutubeを見ながら化粧の練習をしたり、百貨店で化粧品を爆買いした分、ちゃんと見た目に返ってくるのも、とても楽しい。

以前は鏡を見るとよく憂鬱になっていたけれど、「イマイチな部分は伸びしろでしょ」と前向きに捉えているし、「次はここをどう見せるかだな~」という思考にチェンジしているので、自分でも感心する。

「最近変わったね」って言われるのが、一番嬉しい。もっと可愛くなりたい。中身だってあんなに変えられたんだから、外見も変えられるはずなんだよなあ。

と、そういう気持ちの相乗効果もいくらかあって、異動願いを出した。
これが、二つ目の大きな出来事。(前回の日記からは嘘みたいな展開…)
経緯を話せば長くなる。でも、何もかもタイミングだ、と思う。最近は、そういう出来事がとても多い。

三つ目、友達7人でカニを食べに日帰り旅行に行ったり、それが一日で三連休分の面白さで、遅めの青春みたいですごく楽しかった。

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羽生くんの決勝見ながら食べたので、フィギュアスケートのマネ。

みんなに誕生日も祝ってもらえて、嬉しかったなあ。変に気を遣ってしまう性格のせいで、今まで大勢が苦手だったけど、最近は全然そんなことないや。これもすっごく大きいことの一つ。

そういえば、最近よく聴いている曲。

 

Predawn / Universal Mind [MV]

predawn、好きで昔よく聴いていたけれど、新しいのを全然追っていなかったので、これは2016年の曲。心臓を掴まれたみたいに胸がぎゅっとして、喉の奥が熱くなる。この曲を聴いていると自分のエモーショナルな部分が全開になって、放っておいたら転がっていくいろんな気持ちを、必要以上に拾ってしまいそうになる。昔一緒にバンドをやっていたメンバーは、きっと「君が好きそうな曲だね」と言うだろうな。シューゲイザーではない、あたたかい音圧と、優しい音が好きだ。昔からずっと。私もこんな音が鳴らしたかった。

James Ihaの1stがすごく好きで、これを聴いたときみたいな気持ちになったから、久しぶりに聴き直したら、涙腺が爆発するくらいよかった。大好きだ。昼下がりに光が差し込んでいく気がする。

www.youtube.com


嬉しいことのすべてが、変わってゆく自分の延長線にある。全然終わりだと思ってない。もっともっと新しくなりたい。

エスパー/ミツメ

なんだか変なお菓子のパッケージや、不思議な曲のタイトルを見かけると、「たぶんあの人はきっとこんな風に例えるだろうなあ」と想像がつく。そしてその予想はだいたい当たる。そのたびに「やっぱり」と、相手を知っている優越感に心が満たされる。今思えば、それをエスパーやテレパシーだと例えることもできただろうか。

吉本新喜劇みたいに、毎話全く同じ掛け合いがいつまでもマンネリ化せず楽しいのは、なぜだろう。噛みすぎたガムみたいに、味がしなくなるなんてことがなくて、いつまでも甘美なのは、なぜだろう。恋人でも友人でも、関係が深ければ深いほど、こんな風に思うことがある。「お互いのことを知っている楽しさ」がいつの間にか共通言語を生み、二人の世界を作っていくのだろうと思う。出会った頃や、何年も前の旅先での話を、何度でも掘り起こしながら。

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 昨年末、ミツメのエスパーがいいねという話になったとき、友人から「恋人と長く一緒にいて、だいたいのことわかっちゃって、つまんないなって曲だと思う」というようなことを言われた。すぐさま「えっ、それってつまんないですか?」と思わず返事をしてしまったのは、私は前述のように通じ合う楽しさを、恋人同士の付き合いの中で、何よりも幸せに感じてきたからだ。でも、この曲をじっくり何度も聴きながら、そういえばお互いを深く知ることで齎されるのは、どんな関係であろうと、幸せだけじゃないなと、久々に考えたのだった。

エスパー」は、長い間付き合っている恋人同士の曲であり、この曲には二本の時間軸がある。「名前を書いて消していた頃みたいに」と例えられる付き合いはじめの頃と、もう一つは、それから何年も経ち、関係が落ち着いた今だ。

最初は、好きな食べ物とか、なんでもいいから知っていくことにワクワクするだろう。次第に軽口が叩けるようになり始めた頃、相手がどんなことで怒るのかを知らなくて、ふとした言葉で傷つけたり、逆に傷つけられることもある。そんなとき、テレパシーでもあればと、きっと思ったことだろう。

だが、この曲には、一つ矛盾がある。1番のサビ前では、「テレパシー目と目で通じ合えたなら 思うだけのただの二人」と、互いに理解しきれていない前述のような状況を嘆いているにも関わらず、2番では、昔と比較して「変わらずそのまま通じ合えたなら」と歌っている点だ。つまり、付き合った当初に通じ合えていなかったことを嘆いていたはずなのに、「変わらずそのまま」では、当初こそ通じ合えていたことになってしまう。

この歌詞の矛盾の理由は、時が経ち、互いを知りすぎたことで抱える問題の大きさを想うと、テレパシーが欲しいと思っていた手探りのあの頃すら分かり合えていたように思えている、ということなのだろう。

互いを知りすぎることによって、二人の問題が複雑になってしまうことは往々にしてある。知りすぎると、同じ行き止まりに何度も出会うことにもなるから。知っていることが諦めに繋がるときの、良からぬ空気をこの曲の中で感じる。

そんな風に、時間が経って、二人の間のエスパーの在り方が変わっていく経験が、たくさんの人にあるのではないだろうか。じゃあ、なんで一緒にいるのか?エスパーが齎す安心感も、もちろんあるからだ。知っていることが、一緒にいる理由でもある。知りすぎているからこそ叩ききれない扉もあれば、知られているからこそとびきり楽しいこともたくさんある。まさに、文頭で述べた例えのように。

二人の毎日は、これからも続いていく。サイケな音の響きが二人の末路をうやむやにしながら、不安を抱えつつも楽しい日々がなんとなく続いてく。曲が醸し出す結論を求めない浮遊感が、リアリティに追い打ちをかけるようで、切ない。でも、こんなものなのかな、とも思う。誰かと深く、深く、一緒にいることなんて。

 

エスパー

エスパー

 

 

 

日記(2018.2.3〜4)

最近は、流れに身を任せながら生きている。
少し先週の日記。

土曜日。
昨年の今頃、複数の同じ悩みを抱えて、コメダ珈琲で泣いたり笑ったりしながら一緒に転職活動をしていた友達と、いつも通りコメダ珈琲へ。昨年の春に転職に成功したはずの彼女は、来月で仕事を辞めるつもりだと言った。彼女はとても頑張り屋で、辞めるのには、やはりよっぽどの理由がある。同じ職場で長い時間働くことの難しさを思う。自分の体と心の方を優先すべきだ。

「やりがいのあるところで働きたいよなあ」と二人して嘆いていたのが昨年冬。話す内容がまた一巡して、同じようなことをコメダ珈琲で相談している。彼女はまた職を失い、私は結局転職できず今の会社にいる。

でも彼女は1年かけて厳しい環境に身を置き、一定の経験値を手に入れた。一方私はというと、転職に関して重い腰をどんどん上げられなくなったとはいえ、いろんなことがどうでもよくなり、仕事以外の部分ではどんどん輝いてもいる。変わっていないようで、大きく大きく変わっている。堂々巡りなんかじゃない。そのことを絶対に履き違えないようにしたい。


日曜日。
友達と、河原町へモーニングを食べに行く。
はてブのレビューでみつけて、絶対行きたい!と思っていた「回廊」のモーニングなのだが、10:30時点で売り切れ。じゃあ別のモーニング…ということで、久々にスマート珈琲へ。

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パンケーキ自体は烏丸御池にあるフクミミのパンケーキモーニングがダントツで好きなんだけど、スマート珈琲のロゴの感じとか、絵本のようなパンケーキの見た目とか、やっぱりテンション上がるよね。バターも超おいしい。その後、藤井大丸のセカロイポップアップショップに行くなど。カバン買った。大学の時もセカロイバッグ使ってたなー。

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途中で、アウトドアファッションがしたいんだという弟と合流して、買い物に付き合う。結局パタゴニアでお目当てのものがみつからず、寺町のロフトマンに連れて行ったら「おしゃれすぎて俺には無理だ」と言って、代わりに大きな肩幅に合うシャツをリーバイスで買っていた。身の丈に合うものを、自分のペースで。それがいいよな。

弟と出かけると、なんとなく、必ず家族土産を買って帰る。ノースフェイスの路面店あたりをウロウロしていて、たまたま見かけた六角のwalderというパン屋でパンを買った。家に帰って調べたらすごい人気店でびっくりした。

弟と二人で行動すると、必ずその先に父と母を意識した選択肢が現れるのはなんでなんだろう。一緒に野球の試合を観に行っても、父に新井のストラップとか、おみやげを買って帰る。不思議だ。一人で行ったら、そんなこと絶対しないのに。

夜は、仲の良い女友達が、恋人を紹介してくれて、とても嬉しかった。華やかな友達の新しい彼は元プロのスポーツ選手で、ガタイもむちゃくちゃ良い。やんちゃな人が乗ってそうな黒くていかついjeepを運転し、友達と一緒に家まで迎えに来てくれて、車内では湘南乃風三木道三を足して2で割ったような曲がずっと流れていた。きっと私の好きな野球選手とかって、プライベートはこんな感じなんだろうな。カープの話がたくさんできて楽しかったけれど、やっぱり私はスポーツマンよりも、大好きなウルトラマンの話をしているときの博多大吉が好きだな…と思った。


最近よく思うこと。

私はホットヨガを始めてから毎日のお弁当がほとんど作れなくなった。何か始めた分何かがおろそかになり、人間のキャパシティには限界があることを日々痛感する。たぶん、HP92とか、一人一人細かい数字まできっちり気力と体力が割り振られていると思う。

私は音楽の歌詞を意識しながら聴くのが好きで、ここ数年は邦楽の歌詞をじっくり聴きながら一曲一曲を時間をかけて楽しみたいという想いが強い。だけど、野球に熱を注ぐようになってから、かすかに残っていた「新しい音楽を聴きたい」という想いがどんどん削がれ、今じゃほとんど洋楽の新譜がわからない。

私の周りには、自分が知らないことが恥ずかしいと思う程、いろんなサブカルチャーに詳しい友達が本当にたくさんいるので、最近すべてに中途半端な私は、なんだか肩身が狭い。かと思いきや、野球や、化粧品や、新しい物事に興味があって、大きく世界が広がっていくのを感じるのも確かだ。そんな風に、最近は「寂しい」と「超楽しい」が順番にやってくるので、ちょっと疲れ気味。結論、楽しいの方が上なんだけどね。新しく世界が広がるのが楽しくて、初対面の人と話すのも、全然苦じゃなくなったし。

だから、日曜にスマート珈琲でした、最近読んだ漫画とか音楽の話が、すごく楽しかった。いろんなことを知っている前提じゃなくて、最近純粋に楽しかったものの話をするのは、構えなくていいから気楽だなあと思う。好きなものの話をしているときの人の顔はすごくいいし、かわいい。なんにせよ、今年は去年よりも音楽を聴くことを目標の一つにしたいです。

映画「勝手にふるえてろ」感想 -本当はこんな風に怒ってみたかった-

友達に誘われて観に行った「勝手にふるえてろ」。
昨年末に観てから、今もなお映画にまつわるいろんなことを考えてしまっている。以下、感想ネタバレです。ご注意ください。

 

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映画を終わった瞬間、私は興奮で震えていた。そして、近くの席の女の子たちが口々に「松岡茉優かわいかったねー」と話しているのを見て、「ちーがーうーだーろー!!!」と叫びかけた。いや、確かに松岡茉優はむっちゃくちゃ可愛かった!!!映画やドラマを見て初めて「この人と同じ服を着たい」と本気で思ったくらい。(今も細々と探してます。ご存知の方いれば教えてください。)

でもそれよりも、心の奥底でふるえて止まらない感情が、小刻みに指の先まで到達していた。エンドロールを観終わるやいなや「今すぐカフェでこの映画の話をしよう」と隣の友人を誘い、散々感想を話し合った。それでも気持ちが止まらなくて、最終的にカラオケに行った。なんだか大きな声を出したくてたまらなかったのだ。私はJUDY AND MARYを歌いまくっていたが、rage against the machineを歌えたら、もっとよかったな。空耳アワー等の小ネタも抜群でした。

「脳内の彼か、現実の彼か」。
ヨシカの10年間の片想いにはバチバチに共感し、個人的すぎてネットでは晒せないようなたくさんのエピソードが脳内を駆け巡った。けれど、私が一番共感したのは、物語の後半、ヨシカ(松岡茉優)と二(渡辺大知)がうまくいってほしいという想いで、来留美石橋杏奈)が、二にヨシカが処女であるという秘密をばらしたことがばれてしまうシーンだ。

たった一人の友達、来留美が他の人に秘密をばらしたことも腹が立つ。でもこの怒りは、そんな単純なことじゃない。ヨシカが怒っているのは、大切な友達に「処女であるという最大の秘密が、心配してアドバイスとして二に伝えなくちゃいけないと思う程、恥ずかしいこと」だと思われたことだ。

一緒に観た友人は「響く人と、全く響かない人に別れて、まるでリトマス試験紙みたいな映画みたいだよね。」と言っていた。この作品には、いくつもウワァ…と胃の中に石が放り込まれているような気分になるシーンがあったけれど、私の心のリトマス試験紙が真っ赤に染まりきったのは、このシーン。

自信なさげな人生を送ってきた人なら、この「お前も本当は笑ってるんじゃないのか」というドロドロにヌメりまくったどす黒い気持ちに身に覚えがあるのではないだろうか。来留美の空気の読めない優しさは、「きっとヨシカとは違った明るいところで生きてきた人間なのだろうな」と感じさせる点でもあった。

悲しいことに、ヨシカ級のこの面倒臭さが自分にもある。
実際に、昨年、私が内心とても気にしていることに関して、母親が外で来留美のような気遣いをしているのを友人から聞き、笑い話だと思って話してきた友人がびっくりするくらいファミレスで泣いてしまった。

詳細は割愛するが、笑って済むようなことなのに、「母親も私のことかわいそうって思ってたんだ」と私は受け取ってしまった。それがあまりに卑屈な脳内変換をしていることは、痛いほどわかっていたんだけど…。情けないと同時に笑い話だと思って話してくれた友人を傷つけたくなくて、「ごめん、就活が忙しくて疲れてたみたい」と、全く脈絡のない理由をこじつけてその場を乗り切った。最低限フォローをしたことは正しかったと本気で思うけれど、友人には、悪いことをしたなあと今でも後悔している。

でも、普通はこうやって「泣いちゃダメ」と無理やり沈下させるであろうこの情けない怒りを、ヨシカはおもいっきり声に出して、爆発させるのだ。
「えっ、まじでほんとに言っちゃうの?」という後半のヨシカのスピード感、変な汗がでつつも、爽快感がすごい!

処女であることを笑われるのであれば、「妊娠したので産休ください。」と真逆の嘘をつき、無理やり産休届を提出。「昨日からどんどん出てきちゃうんだよね、心の声が」と、オフィスで本音を叫ぶ。自分には絶対に勇気が足りずにできない超あてつけ自己満の復讐劇を、ヨシカがぜーんぶ映画の中でやりきっていたのだ。

松岡茉優が「現実では叫べないことも、映画なので全部ヨシカが叫んでくれます。辛くなったときに見ると元気が出ると思う」というようなことを舞台挨拶で実際に言っていたらしい。とっても嬉しい。私にとっては、まさにそういう映画だ。

このヨシカ爆発!のシーンのくだりは、早口のセリフも秀逸で、二回目に観に行ったときはたくさんの男性客が笑っていた。カバンを叩いて笑っている人すらいた。でも、そんなに面白いかな。面白いけど、私にはもっと真に迫るものがあり、ヨシカの怒りが体にビシビシ伝わってきて、笑うことなんかできなかった。女性客の笑い声が全く聞こえなかったのが印象的だった。

人生で何度も遭遇したすっごく悔しい瞬間の選択で、自分が選ばなかった方の未来を選択したのがヨシカ。TPO全く無視して会社でいい散らかすヨシカを、オーディエンスとして一番気持ちのよい距離感で見守ることができたな、と思う。

それと同時に、やっぱりヨシカみたいなやり方は良くないし、曲解なんかせずまっすぐ素直に言葉を受け止めていきたいなと、改めて思う。でもでも、それでもやっぱり傷ついてしまったとき、ヨシカが代わりに爆発してくれるという、ある意味、私にとってお守りのような映画になった。「一歩間違ってたら完全にこうなってた」というパラレルワールドのような話なんだなあ。

反面教師であり、オタク女子が最も共感できるヒロイン、ヨシカ。
窒息死しそうな「わかる~」も、斧でぶった切るような「ッシャー!」という爽快感も兼ねそろえた、最高のヒロイン。二と今後幸せになれることを祈るばかりだ!
そして渡辺大知くん、演技が良すぎて、おもいっきりファンになってしまった。私は銀杏ボーイズが大好きで、昔映画の色即ぜねれいしょんのエキストラ出演したことがあるのだけれど、そのとき実際に観た初々しい演技とは違った良さがあって、こんな大化けするなんて思ってもみなかった…。

どうかこれから、二のまっすぐな愛を受けて、ヨシカは卑屈の皮を脱いで歩いていってくれ!その方が、きっとかわいい。私だってヨシカに負けないぞ!かわいくなりたい!

小ネタだけど、ドラマのコウノドリの役柄では師弟関係の厳しかった古舘寛治松岡茉優が釣り人とOLに扮しており、楽しくてかわいい掛け合いが最高でした。ミラクルなキャスティング!

日記(2018.1.12)

年末に引いた風邪が治らない。咳と鼻水がひどく、同じ部屋の人たちにも申し訳なくて、会社を休んでも比較的迷惑のかからない今日を選んで休みを取った。昨日の夜早めに寝て、朝遅くに起きて、それから二度寝ようとベッドに潜り込んでいるけれど眠れない。ぶっちゃけ暇だ。寝なきゃいつまで経っても治らない気がしてすごく嫌だ。negiccoを聴いていたら、気持ちだけ余計に元気になってしまったので、積み上げてまだ読んでいない漫画でも読もうかと思う。それか、年末のM-1の録画でも見ようかな。そういえば、関西出身でない友達が「関西に来てM-1への熱意の入り方が異常で驚いた」と言っていた。確かに自分にとっても冬の風物詩だし、観ないとみんなの会話についていけないくらいのポジションにある番組で、なるほどこれも地域性なのかと思う。

 今日の午前中は、先日見逃した、広瀬すず主演のanoneを観た。カルテットの坂元裕二脚本なのが気になって観てるけど、暗くてあんまり次見ようかなという気にもならず、とりあえず最高の離婚を観るほうが先なのか…?と思った。紅白の安室ちゃんの録画もついでに見たけど、これは感動しすぎて自然と涙が出た。安室ちゃんは信じられないほど可愛い、見ているだけで気持ちがざわつく!あんな風に顔が整っていたら、もう何するのも楽しいだろうなと思う。

 午後は、思い出したようにやわらかスピリッツプリンセスメゾンの最新話を読んだ。

やわらかスピリッツ - プリンセスメゾン

 ずっとコミックス派だったので連載をネットで見ないようにしていたんだけど、それ以上に漫画が好きすぎて「漫画は紙であるべき」って気持ちが大きかったのかも。

最近ドラマは見逃し配信のTVerを使ってiPad(のau版みたいなやつ)で見ていたり、配信で見ることに抵抗が少なくなって、プリンセスメゾンもここ3話くらいはネットで読んでいる。今回の話もよかったー。感想を書くならちゃんとレビュー的な記事を、と思っているので、さらっとだけど、私は受付の2人に一番感情移入するなと、読むたび思う。それぞれの寂しさに「女であること」という要素が加わった話に、どうも揺さぶられる。直接的な言葉のない行間を読ませる池辺葵の手法で描かれたシーンの一つ一つに「その気持ちわかるよ」と思うたび、秘密を共有したような気持ちになる。だから、プリンセスメゾンが好きだ。

2ヶ月間逆流性食道炎に苦しみ、4キロ痩せた。意図せず自分の理想体重だと思っていた体重より痩せることとなり、「痩せの向こう側」に足を踏み入れている。だからと言って全然ガリガリとかではないけれど、服を着るのが急に楽しくなった。私は元々顔に肉がつきやすく、あんなに輪郭を気にしていたのに、今は髪をあげても怖くない。今回綺麗に痩せたのは、週3でホットヨガに通い、筋肉がついたのもあるんだと思う。今はタンクトップのトレーニングウェアを着るのもなんだか快感だ。

好きなアイドルの写真を見ながら「今の私がこれくらいだから、この子は◯キロくらいだろう」と見当がつくようになった。そこまであと約2キロ…。夏までに痩せたいけれど、元々食べるのが大好きなぶん、なかなか難しい。でも無理せず頑張りたいな。

逆流性食道炎が辛すぎて、食べ物を食べてから1時間以内に横にならないと決めて、おやつを断念することが増えたのは本当にいい傾向だとは思う。

 

そろそろまた眠る努力をしようかな。

濡れマスク、超いいです。はやく元気になりたい。